昨今、「ブラック企業」がなにかと話題になるなか、ある企業が「大正時代からホワイトだった」と話題になっている。
その企業とは「ニッカウヰスキー」。
ニッカウヰスキーの公式サイトには、2014年7月に創業80週年を迎えたことを記念したコンテンツが設置されている。
創業者の竹鶴政孝氏を紹介するコンテンツもあるのだが、その中に「竹鶴ノート」の内容を、実物の写真もまじえて紹介しているページがある。
「竹鶴ノート」とは、竹鶴氏がスコットランドに単身留学した際、ウイスキーづくりの工程や自身のウイスキーに対する思いなどを書き記したノートだ(1920年、大正9年ごろ作成)。
ノートの中には、社員の待遇や働き方、労働環境についても書かれていた。内容は以下の通りだ(一部抜粋)。
「一般社員も出来る限り仕事の迅速をはかり、より以上一日の効率をはかり退出時間が来たら遠慮なく家に帰り家庭をもつものは皆々揃って楽しい夕べを過ごすと云うようになって欲しいと思います。これは単に人生を有意味に暮らすという事のみならず、凡そ人として踏むべき道ではありませんでしょうか」この記述について、ネット上では「ニッカちょうホワイト企業」「どこぞの会社はぜひ見習ってほしいもんです」「こうした言葉を言える日本人経営者がどのくらい、日本にいるでしょうか」などと話題になった。
現在の状況は?では、現在はどうなのか。転職口コミサイト「転職会議」でニッカウヰスキーに寄せられたユーザーの評判を見ると、給与水準や仕事のやりがい、福利厚生など10項目の総合評価は5点満点中3.8点。特に「育児介護休暇あり」「長く働ける」という社風が評価されているようだ。
口コミでも、
「会社全体が和やかな雰囲気でした。「本物にこだわってウイスキー作りをする企業の姿勢が一貫していたことに魅力を感じておりました」
と、好意的なコメントが目についた。
ちなみに、同社は2001年にアサヒビールの完全子会社となった。アサヒビール公式サイトの採用情報を見てみると、福利厚生の項目には、個人のニーズに合わせて物件を選択できる「社宅・寮制度」や、毎年一定の補助額が付与され、旅行や教育などの福利厚生メニューを自由に選べる「カフェテリアプラン」などが挙げられている。
こうしたアサヒビール情報も、「大正時代からホワイト」のイメージの後押しに一役買ったようだ。(MM)

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