即席めんの明星食品が2021年1月11日、驚くべき商品を発売した。看板商品の「中華三昧」が、なんと「2食5000円」だという。
明星食品に発売の経緯と売れ行きなどの動向を聞いてみた。
コロナ禍の巣ごもり需要で「振り切った」価格に挑むインスタントラーメンの「チャルメラ」などでお馴染みの明星食品が、より本格的な味や麺の歯ごたえを提供している高級即席めん「中華三昧」を発売したのが1981年10月。当時、高級麺旋風を巻き起こし、画期的な即席めんとして多くのファンをつかんだ。
そんな明星食品は、1950年3月28日の創業。2020年で70周年を迎えた。それを記念して開発したのが、「明星 70周年記念商品 中華三昧 贅の極み」。2食セットで5000円(税別)という価格で、1月11日からアマゾンのオンラインショップで販売を開始した。
外観はまるで辞書の「広辞苑」のような、荘厳で真っ黒なボックスパッケージ。これを開くと、2種類の豪華な即席めんが入っている。
一つは、「魚翅姿煮拉麺(フカヒレスガタニラーメン)」。高級中華料理店で出てくるような、一枚もののフカヒレの姿煮を贅沢に使用。
もう一つは、「極厚叉焼拉麺(ゴクアツチャーシューラーメン)」。約5センチメートルの極厚でボリューム満点なチ直火焼きャーシューが入っていて、お箸でほろほろと崩れるほど柔らかく煮込んだ逸品。こちらも「贅の極み」と呼ぶにふさわしい。
それにしても、即席めんで「2食5000円」とはかなりの高額商品だ。同社マーケティング本部第一グループの八木義之ブランドマネジャーは、
「『中華三昧』は、それまでの即席めんとは異なり、高級感を売りにしています。『中華三昧』のブランドイメージと、明星食品70周年と合わせて、覚悟を決めて『振り切った』商品で作ってみようと考えたところが、きっかけです」
と、経緯を語る。
アマゾンで発売当日は即完売!ブランドマネジャーの八木さんによると、商品開発においても、このコロナ禍の影響があったようで、
「巣ごもり生活で、みなさんが外食に行きづらい昨今、ご自宅でも高級中華料理のようなものを味わっていただければ、という思いで開発しました。たとえば、街のラーメン店でも1食700~800円。トッピングをプラスすれば1000円とか。高級な中華料理店だと、2000円以上するメニューもありますよね。それを、ご自宅で好きな時に味わえるというところも、楽しんでいただけるかと思います」
という。
年賀の贈答品としても利用されていたようで、アマゾンのオンラインショップでは、発売当日で即完売だった。14日からは楽天市場でも発売。販売は数量限定だが、在庫がある限り順次投入していく。
東京や大阪など緊急事態宣言が発令されたが、旅行や外出の自粛によって自宅でゆっくり過ごす人のニーズにマッチしたようだ。
八木さんは、
「正直、『のるかそるか』の勝負でしたが、大変なご反響をいただき、本当にありがたく思っています」
と話している。

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