「キスマイが今好き」――そのように思っている女性ファンは全国に多数いるのではないでしょうか。2年連続の紅白歌合戦出場が決まった、今をときめく人気アイドルグループ「キスマイ」ことKis-My-Ft2

なので「キスマイが今好き」というつぶやきも、けっして珍しくない、いたって普通で平凡なフレーズのように思うでしょう。このフレーズをひらがなに変換して逆から読んでみるまでは……。

「きすまいがいますき」

そうなんです。驚くことにこのフレーズ「キスマイが今好き」は、逆から読んでも「きすまいがいますき」になる、前から読んでも後ろから読んでも同じになる、魔法の言葉遊び「回文」なのです。

今日はそんな、インテリジェンスで、ときにシュールでナンセンスで摩訶不思議な回文ワールドを「芸能界・男性アイドル編」という切り口で紹介させていただきます。

※これから紹介するのはパラレルワールド「回文界」での出来事です。実在の方々とは関係のない、完全なるフィクションとしてお楽しみください。

■「関ジャニ、野人化」

【かんじやにやじんか】メンバーそれぞれがバラエティ番組で活躍し、グループとしてもバンドスタイルでライブを開催するなど、高い音楽性を誇る「関ジャニ∞」。男っぽい楽曲も多く、アイドルとしてはワイルドな魅力も強い方々ですが、こちら回文界ではワイルドさが突き抜けてしまうようですね。

■「闇の二宮」
■「貴様、バイアスロンロス?相葉雅紀

【やみのにのみや】【きさまばいあすろんろすあいばまさき】今年限りでの活動休止を発表した「」からは、このお二方がフィーチャーされました。回文界ではまさかの闇堕ちをしてしまう(?)二宮和也さん。そしてNHKでスポーツバラエティのMCを担当されたからでしょうか、回文界の相葉雅紀さんはスキークロスカントリーと射撃の複合競技「バイアスロン」の熱狂的なファンになってしまっているようですね。

■「木村拓哉の役:タラむき」

【きむらたくやのやくたらむき】現実世界では圧倒的な存在感、スター性を発揮している木村拓哉さんですが、回文界ではなんだか様子がおかしいですね。雑用を押し付けられているみたいです。あのキムタクが、ひたすら「タラの皮」をむき続ける役をやらされているなんて……。

■「夜、暗きあの岸に錦野旦来るよ」

【よるくらきあのきしににしきのあきらくるよ】昭和の時代を飾った男性アイドルにも目を向けてみましょう。あの「スターにしきの」こと、錦野旦さんです。真夜中の暗~い岸辺。空に太陽がない、そんな場所に何をしにいらっしゃるのでしょうか……??

■「シブガキ隊にいた気が、武士」

【しぶがきたいにいたきがぶし】実際のシブがき隊といえば「ヤックン」「モックン」「フックン」の3人組だったと思うのですが、回文界のシブがき隊のことを思い出そうとすると、なんだかもうひとりいたような気がするんです。……あれ、誰だったかな? まげを結っていた方だったような……。腰に刀を差していた気もする。「ブックン」? 武士のブックンっていなかったっけ??

■「稲垣、覇気がない」

【いながきはきがない】「新しい地図」の稲垣吾郎さん、いろんな分野で大活躍中ですが、回文界だとなんだか覇気がないですねぇ……。

■「稲垣、歌う気がない」

【いながきうたうきがない】あれ、歌わないの? 歌ってくれないの? その声を聞かせてよ……!

てか稲垣さん、回文との相性がよすぎですね。どんどん出てきます。

「稲垣、武器がない(いながきぶきがない)」
「稲垣、席がない(いながきせきがない)」
「稲垣、子機がない(いながきこきがない)」
「稲垣、駅がない(いながきえきがない)」
「稲垣、ツキがない(いながきつきがない)」

見つけられなかったり持っていなかったり、回文界の稲垣さん、本当にツキがなさそうです……。どうしても「いながき~きがない」で、何かが「無い」、ちょっとネガティブな方向になってしまいがちですが、「稲垣、柿がない」「稲垣、機器がない」「稲垣、式がない」etc……まだまだたくさんのご活躍がありそうでして、回文界のトップアイドルはどうやら稲垣吾郎さんで決まりです!

以上、回文パラレルワールド「芸能界・男性アイドル編」でした。

お~わり! わ~お!

【PROFILE】

文・イラスト:手賀沼ジュン

1979年、ネパール生まれの帰国子女(千葉県柏市育ち)。早稲田大学第一文学部卒業。サンミュージックプロダクション所属。お笑い芸人兼シンガーソングライターとして活動中。趣味で作り続けている回文を武器に「歌ネタ王決定戦2014」で優勝を果たす。著書に『回文さがし~たんぱつパンダの冒険~』(光文社)

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