「iDeCoとは自分のための年金を自分で積み立てる制度。自分で掛け金を出して運用することで資産を増やし、60歳以降に受け取ることができるのです。

掛け金は、全額所得控除されるため、毎年の所得税や住民税が安くなります。さらに通常の投資や預金では、利息等の利益に対して約20%もの税金が課せられますが、それも非課税。受け取り時にも税制優遇があります」

そう語るのは、これまで2万3,000件以上の家計相談をしてきた「家計再生コンサルタント」の横山光昭さん。

iDeCoを難しいと感じている人も多いが、一度始めれば基本的には引き出すタイミングまで放置すればよいという。そこで、横山さんにiDeCoを始める際のポイントを教えてもらった。

「iDeCoを始めるには、金融機関で専用の口座を作る必要があります。その際に、重要なのが金融機関選び。銀行や証券会社など店舗での申し込みは避け、手数料や口座管理料が安いネット証券を選んでください。SBI証券・楽天証券・マネックス証券などがおすすめです」

積み立てる掛け金の額は自分で決めることができる。

「掛け金は、毎月5,000円から1,000円単位で設定できます。ただし、掛け金の上限は、職業によって違うので事前に確認を。自営業者などは上限月6万8,000円。

専業主婦(夫)は月2万3,000円。会社員は、企業の年金制度により月1万2,000~3,000円と異なります」

■FPおすすめの投資信託銘柄8選

さらに、横山さんに楽天証券・SBI証券で買えるおすすめ商品とその組み合わせ方を教えてもらった。

「iDeCoで選べる商品のなかには、元本が確保される保険や定期預金もありますが、超低金利時代の今、これらの商品で資産を増やすのは難しいでしょう。必ず投資信託を選んでください。景気の落ち込みなどにより、一時的に元本割れしてしまう可能性もある投資信託ですが、長期で積み立てた場合そのリスクはほとんどないといわれています」

よくわからないけど、とりあえず始めたいという人は、全世界型株式だけを購入すればよいという。利率は大体3%程度になるのでは横山さん。

「ビギナーの方は『全世界型株式』商品を1つ買っておけば大丈夫です。アップルやマイクロソフトをはじめ世界中の優秀な企業株が入っています。世界中の株を反映するので、リスク分散ができます」

リスクを取りつつも、より多くのリターンを得たいという人は、複数種類の株式を組み合わせて、と横山さん。

「一時的な値下がりのリスクをとってでも、ハイリターンを求めるなら、『全世界型株式』に加え、日本を含む先進国の企業株を集めた『先進国株式』や、インド、中国、ロシアなどの企業株を集めた『新興国株式』、米国株だけの『米国株式』などを組み合わせて購入するのがおすすめです」

全体の3割を全世界型株式に、残りを先進国株式:米国株式:新興国株式=1:2:1で配分するとよいという。この場合、4~5%の程の利率になると横山さんは予測する。

iDeCoを活用して、老後の不安をすこしでも解消しよう!

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