「以前に比べ、『耳あかがたまっている気がする……』と訴える方が増えてきました。これはスマホを長時間使用するようになり、睡眠が浅くなっていることが原因だと考えられます。
そう語るのは、イヤーエステティシャンの中本多紀さん。これまで2万人近くの耳をケアしてきた「耳専門家」だ。
「東洋医学では古くから耳ツボ療法が行われてきましたが、実は西洋でも、ヒポクラテスが耳を使って治療をしていたことが知られています。
耳には全身につながるツボが200以上もあるといわれ、その配置が胎児の形と一致する。
「体に不調なところがあれば、そこに対応する耳ツボが硬くなったり、腫れてしまっていたり。場合によっては触ると痛かったりすることもあります。逆にいえば、耳ツボを適切に刺激してあげることで、体の不調を改善に導くことができるのです」
■「認知症予防」に効果てきめんの耳マッサージ
東洋医学では、「腎」は生命の起源であると同時に「脳をつかさどる」とされており、腎機能が低下すると、脳の老化が促進すると考えられている。
腎の機能が向上すれば、認知症の予防効果が期待できるだけでなく、体全体が活性化。疲労回復にも効果があるので、風邪が長引いたときや、ぐったりと疲れたとき、頭がぼんやりするようなときにもおすすめだ。
【1】指先を耳の付け根にあてる。
【2】耳全体をこするように、5~7秒かけてゆっくり後ろに手を滑らせる。
【3】そのまま耳をたたむようにして耳の穴にかぶせつつ、手を手前に引き戻しながら5~7秒かけて耳の裏をこする。
【4】3分くらいかけて、耳たぶ全体が温まるようまんべんなくもむ。1~4を10回以上繰り返す。
【5】中指で「腎」のツボ(耳の穴の上)を刺激する。ぐっと押してはゆるめる、を繰り返して。
1日2回、朝と夜に、耳に意識を集中させながら行おう。