何度片づけても、散らかった部屋に元どおり。わが家は一生ごちゃごちゃしたままかも……と諦めている人に朗報! 家族の結束を強めることで、たったの3日で永遠スッキリの部屋が手に入る――!
「片づけておいてよかった!」
「家族に感染が広がらなかった」
片づけアドバイザーの石阪京子さんのもとには、いま続々と感謝の声が寄せられているという。
コロナ禍が長引くなか、石阪さんのメソッド「最後の片づけ」を実践。家をスッキリさせておいたため、家族のなかにコロナ感染者が出ても、母親は罹患せずに済んだというケースもあった。
「罹患した家族はそれぞれの個室で過ごしたおかげでお母さんは感染せず。家族のサポートに徹することができたそうです」
こう話す石阪さんの最短3日間で済む片づけメソッドは、家族それぞれの「プライベートスペース」と、「パブリックスペース」を徹底分離することが基本。隔離生活にもぴったりなのだ。
「狭小住宅で個室はなくても、スペースを分けることは可能です。ものが迷子になったり二重買いする無駄が劇的に減ります」
■自分や家族の安全で快適な暮らしのためにも片づけを
石阪メソッドが詰まった著書『これが最後の片づけ! 一回やれば、一生散らからない「3日片づけ」プログラム』(ダイヤモンド社)はベストセラーに。「リバウンドなし」というオリジナルメソッドが注目されているのだ。
「コロナのほか、地震や水害など自然災害への警戒も怠ることはできません。ものが多い家は家具が倒壊する危険もあり、水などの備蓄品の置き場も少ないです。家族の安全のために『備えながらきっちり片づいた家』づくりをしましょう」
そう話す石阪さんだが、子育てと介護をしていた時期は「片づけられない人」だったと振り返る。
しかし長男が中学生のとき。
このメソッドでやると決めたなら、今日から合宿に向けた助走期間だと心得よう。まずは不要品を目視で選定することから。
「譲る、廃棄、売る、貸すなど行き先別にシールを貼る作業を。廃品回収の際に間違えて捨ててしまうなどの事故を防ぎます」(石阪さん・以下同)
■リバウンドしない片づけでスッキリ’22年を迎えよう
そして何より大切なのは家族全員の作戦会議だ。
「大抵、片づけはお母さんが主体ですが、家族の理解と納得は不可欠。どんな暮らしをしたいか、なりたい自分のイメージと、なんのために片づけるかを共有することがリバウンドしない秘訣です」
3日間の「片づけ合宿」のための休日を確保できたら、次のとおり。進める順番が大切だ。
【1日目】まずはバックヤードを空ける
効率よく片づけるにはバックヤード(全室の収納・廊下収納・押入れなど)の収納物を全出しする(すべて出す)ことから。要るもの要らないものを洗い出し、それぞれ厳選する。
「ここから手をつけることで、減らす覚悟ができ、忘れていたものと対面もあります。なぜ捨てられないのか考える『心の全出し』作業も。一度出してしまったものは処分か、再びしまうかの2択しかありません。全部出してしまうことで、うやむやにしてしまうということも防ぎます」
選択の基準は「いま必要なものを選ぶ」に尽きるという。
「使っていないもの、卒業したものは処分する流れができます」
ちなみに石阪さんが推奨する寝具はベッド。万年床よりも省スペースで防災面でも安全だという。
「ベッド下のスペースは防災用の備蓄品を収納するなど有効活用できます。棚やたんすが倒れてきたときはベッドの柵で防御できるのも利点です」
【2日目】キッチン、水回りなど水回りは機械的に
バックヤードで心が吹っ切れると2日目の水回りは楽になれる。キッチンのシンク側、食器棚のもの、洗面所・トイレの収納から全出しし、それぞれ必要なものを厳選。
「水回りには、思い出があったりもったいなかったりして迷ってしまうような、心を揺さぶるものはほとんどありません。キッチンや食器棚はものを全て取り除いたらシンクや壁をピカピカに磨き、それぞれの要不要を判断する。増えすぎたアイテムは定数を決め、減らしながら残したものは適切な本来の住所(定位置)に置くだけ」
これはキッチン用品だけでなく、文房具なども同様のルール。
【3日目】玄関・リビングはスッキリ
リビング、下駄箱、子ども部屋のものを全出しし、それぞれ必要なものを厳選する。
「個人のものを個室やプライベートスペースに移してしまえば、リビングはほとんどものがない状態になることも。重要書類は紛失しないよう袋に入れていったんキープし最後にファイリングを。気づくと必要なものだけが残り、拍子抜けするほど早く終わるおうちもあります。家族の結束が固いほどリバウンドしません」
家族が安全で仲よく暮らす家づくりを念頭に置いて’22年に備えよう。まずは年内、3日間の片づけ時間の確保から!