ナプキンやパッドをつけなくても、ショーツ自体が水分を吸収してくれる「吸水ショーツ」。

今年に入って、GUやユニクロ、3COINSが1,000円台で購入できる吸水ショーツを発売すると、完売店舗が続出した。

「女性の“憂鬱な日”をより快適にしたい、そんな思いで吸水ショーツを開発しました」

そう語るのは、日本の吸水ショーツ開発のパイオニア、株式会社Be-A Japan広報の武市奈々子さん。同社の吸水ショーツ“ベア シグネチャー ショーツ”は昨年7月に販売を開始してからすでに7万枚を売り上げる大人気商品だ。この吸水ショーツはどのような仕組みなのか?

「弊社の商品は吸水性や防水性のある布を複数枚重ねて作製しています。多い日の平均量が30~50ミリリットルといわれるなか、弊社の商品はその約3倍の量を吸水できるんです」

さらに、洗って繰り返し使うことができるのもポイント。

「汚れた際のお手入れの方法は、水がきれいになるまで3~4回もみ洗いしてから、洗濯機へ入れるだけ。血液汚れが付着している場合は、お湯は使わないようにしてください」

更年期の不規則な生理周期や、軽い尿漏れに備えて、常にナプキンやパッドをつけているのは面倒なうえ、かぶれの原因にもなる。そんな中、ショーツだけで過ごせるのはメリットが大きそうだ。

とはいえ、本当に吸水力があるのか、漏れないのか、吸水した際どのような肌触りなのか不安に感じる人も多いだろう。そこで本誌では、5種類の吸水ショーツについて、最大吸水量と水分を含んだ際のはき心地を調査。その結果を次のページから紹介する。

■どこまで漏れない? 履き心地は? 5品を実験

【Be-A】「ベア シグネチャー ショーツ 02」7,590円/XS~3L

〈吸水量(メーカー表示)〉:約120ml
〈臭い対策 (メーカー表示)〉:抗菌・防臭加工
〈内側の構造〉:股部分の横幅が広く腰部分までしっかりカバーした吸水面
〈はき心地〉:肌に触れる部分は柔らかく、伸縮性がありはきやすい
〈実験時の最大吸水量〉:140ml
〈吸収スピードとぬれ感〉:吸収スピードがとても速くサラサラの肌触りが続く
〈使った感想〉:圧倒的な機能性。吸水スピードが速く、さらっとした肌触りが長時間持続し快適にはける。

吸水量も断トツで、安心感のある1枚

【Nagi】「full」6,600円/XS~XL

〈吸水量(メーカー表示)〉:約105ml
〈臭い対策 (メーカー表示)〉:Ag(銀)配合制菌加工
〈内側の構造〉:おしりの上部までしっかりと覆った吸水面
〈はき心地〉:吸水部分の厚みが薄く、伸縮性が高いためはき心地がよい
〈実験時の最大吸水量〉:105ml
〈吸収スピードとぬれ感〉:吸水スピードが速い。ぬれ感は少しあるが不快感はない
〈使った感想〉:高い吸水力とおしりをすっぽり包み込む抜群のはき心地がやみつきに。色や形の展開が豊富で、デザインも重視したい人におすすめ

UNIQLO】「エアリズム吸水サニタリーショーツ」1,990円/XS~3XL

〈吸水量(メーカー表示)〉:約30~40ml
〈臭い対策 (メーカー表示)〉:抗菌防臭機能
〈内側の構造〉:吸水面はおしりの割れ目まで。防水シートは腰部分までカバー
〈はき心地〉:周囲の生地はエアリズム素材で肌触りがよい
〈実験時の最大吸水量〉:50ml
〈吸収スピードとぬれ感〉:吸水スピードはやや速い。ぬれ感は少しある
〈使った感想〉:クロッチ部分の厚みが薄く、普通のショーツと変わらないはき心地。防水生地がおしりの上部まであるので生理の夜の漏れ防止にも

【GU】「トリプルガードショーツ(ハイウエストボクサー)」1,990円/XS~3XL

〈吸水量(メーカー表示)〉:約15~20ml
〈臭い対策 (メーカー表示)〉:抗菌防臭機能
〈内側の構造〉:吸水面・防水素材はおしりの割れ目ぐらいまででコンパクト
〈はき心地〉:本体部分の生地は綿95%使用で、優しい肌触り
〈実験時の最大吸水量〉:25ml
〈吸収スピードとぬれ感〉:吸水スピードはやや速い。ぬれ感は少しある
〈使った感想〉:ふだん使いでも快適な綿素材。低価格だが、吸水スピードが速く不快感は少ない。軽い尿漏れや不正出血対策にふだんから役立ちそう

【3COINS】「吸水型 サニタリーショーツ」1,320円/M・L

〈吸水量(メーカー表示)〉:約25ml
〈臭い対策 (メーカー表示)〉:抗菌加工生地
〈内側の構造〉:吸水面・防水素材はおしりの割れ目ぐらいまででコンパクト
〈はき心地〉:伸縮性がある厚めの生地で、水着のようにぴったりフィット
〈実験時の最大吸水量〉:25ml
〈吸収スピードとぬれ感〉:水分が広がって吸水される。ややぬれ感がある
〈使った感想〉:はいた際のフィット感がよく、横漏れの心配が少なそう。スタイリッシュではきやすいデザインのため、まずは試してみたい人におすすめ

■使用目的によって商品を選んで

実験では、吸水スピードにこそ差はあるものの、クロッチ部分に水を垂らすと、どれもぐんぐんと吸水。メーカー表示の吸水量までは、漏れ出るものはなかった。

50代に多い不正出血、急な生理開始への備え、ふだん3~10ミリリットル程度の吸水ライナーを使っている人の軽失禁対策には、低価格帯の商品でも十分に対応できそうだ。もちろん、パッドなどと併用しても、ショーツ自体が吸水するので通常のショーツより安心感をもって過ごすことができるだろう。

気になるはき心地だが、どの商品も最大吸水量の半分ほどまでは、吸水後もはいているうちに違和感は消えていった。

ただし、最大吸水量に近づくと、表面のぺたぺたした感覚や、トイレではきなおす際のひんやり感が気になるように。吸水量が限界を迎えると、吸水面の横側や、表面の布に水分がしみ出したりした。

出血や尿の量は個人差があるため、自身の状況に合わせて、複数の種類を組み合わせて使うのも手。自分にぴったりのショーツを探してみて!

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