《子どもは正直だ》

1月26日、Twitterに1枚の写真とともにこう綴られた投稿。

写真には室内に集まる人たちと『ゆるキャラGP2019』企業・その他部門で優勝したピーナッツくんの姿が。

ピーナッツくんには子供が集まっているものの、いっぽうその横にいる青い被り物をし、黒い脚の伸びた“何か”に子供は見向きもしていない。

実はこの“何か”こそ、冒頭のツイートをした張本人。“滋賀県公認の非公認キャラ“を謳うびわ湖くんだ。その哀愁漂う投稿は大きな反響を呼び、なんと8万もの“いいね”を記録。さらに《頑張れ……!! びわ湖くん……!!!!笑》《応援したくなるw》といった声が寄せられている。

滋賀県にある日本最大の淡水湖、琵琶湖。その形をしたびわ湖くんだが、“滋賀県公認の非公認キャラ”とはどういうことだろうか? そもそも子供に不人気ならば、ゆるキャラとしていかがなものかーー。

さらに調べると、どうやら“ただのゆるキャラ”ではないようだ。びわ湖くんのYouTubeチャンネルには『滋賀県民の歌』『橋本環奈になりたい』といったオリジナル楽曲や、バンジージャンプをする姿。さらに自身の被り物をリサイクルショップで買い取ってもらおうとする様子までもアップされているのだ。

そこで本誌は、びわ湖くんに直接取材を申し込んだ。「何者ですか?」と聞くと、びわ湖くんはこう答えた。

「もともとはTwitterに投稿された4コマ漫画のキャラクターなんです湖。知名度を上げるために缶バッヂが作られたりして、そういうなかで“着ぐるみ”として誕生しました湖。段ボールにボンドで布を貼り、ホッチキスでとめられています湖」

チープな作りが魅力のびわ湖くん。実は今のびわ湖くんは4代目とのこと。製作費は5,000円くらいで、一番費用がかかるのは布だという。そして、びわ湖くんは冒頭のツイートに触れ「“8万いいね”は初めてです湖」と話す。

「あれはスーパーで撮られたものです湖。防災用の水や携帯トイレを配るイベントの1シーンです湖。あ、『水関連のイベントだからびわ湖くんが呼ばれた』ってことではないみたいです湖(笑)」

■「一応、公認してもらっているので」びわ湖くんと県のゆる~い繋がり

続けて、びわ湖くんは「たまたまシュールに写真が撮れたっていうだけで、いつも子供に人気がないわけではないと思います湖」という。

「『思います』というのは……。じつは、着ぐるみの構造上周りがよく見えないんです湖(笑)。だから、あの写真を撮った時も何が起こっているのか自分はわかっていません湖。

とはいえ以前、『天才てれびくん』(NHK Eテレ)に出たとき、子供人気が出たわけでもありません湖……」

ところで“滋賀県公認の非公認キャラ”とは、どういうことだろうか?

「最初、県の方から『公認の非公認にします』とTwitterで連絡がありました湖。話を詳しく聞くと、どうやら公認になると活動に制限が出てきてしまうそうなんです湖。なので、『県公認の非公認という立場でどうですか?』と言われました湖。一応、公認してもらっているので『それでいいかなぁ』と思っています湖」

なんとも“ゆるい設定”。そこで本誌は「公認の非公認とは?」と滋賀県にも取材を行った。すると、担当者はこう明かした。

「びわ湖くんのYouTubeチャンネルには『滋賀県の公認にしといてよ』という動画があり、それをキッカケにご連絡いたしました。“公認の非公認”とさせていただいた理由は、びわ湖くんは活動がアグレッシブで破天荒な部分があるから。公認にしてしまうと、その活動に制限が出てしまうと考えたためです」

そして「もちろんびわ湖くんを通して、滋賀県の魅力が伝われば嬉しいです」といいながらも、県側はこう続けた。

「とはいえ“公認の非公認”ですから、滋賀県のほうから何かお願いすることはありません。びわ湖くんはびわ湖くんの活動があり、『子供に人気が出るよう活動して欲しい』と注文するようなこともありません。びわ湖くんには自由に活動していただければと思います」

滋賀県とゆる~く繋がるびわ湖くん。

それは、ゆるキャラのニュータイプといえるのかもしれない。

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