「私どもが、悠仁さまが神宮にいらっしゃると伺ったのは、9月半ばごろでした。最初は “間違い”ではないかとも思ったのですが……」

そう語るのは、伊勢神宮の関係者。

秋篠宮ご夫妻の長男・悠仁さまが10月1日に三重県の伊勢神宮を参拝されることが9月下旬に明らかになった。

皇室担当記者はこう語る。

「悠仁さまは現在、筑波大学附属高等学校の1年生。学校の休みに合わせて三重県を訪問される予定です。

伊勢神宮の外宮・内宮を参拝され、神宮美術館で開催中の特別展『生きる正倉院-伊勢神宮と正倉院が紡ぐもの-』を鑑賞されるそうです。

悠仁さまが神宮に参拝されれば、’13年に式年遷宮の準備状況をご一家で視察されたとき以来。三重県ご訪問は9年ぶりになります」

皇室と伊勢神宮の関係は非常に深い。皇室の祖先は天照大神とされており、伊勢神宮はその天照大神をまつっているからだ。そのため即位、結婚、進学などの際、天照大神に天皇や皇族が「奉告」するのが慣例になっている。

前出の伊勢神宮関係者が、悠仁さまの三重県ご訪問に驚いたのには理由がある。

「ご結婚やご進学以外にも、ご成年を迎えた皇族が神宮を参拝されるのは、皇室の大事なならわしなのです。秋篠宮家の長女・眞子さんは20歳の誕生日の約1カ月後、次女・佳子さまは約2カ月後に神宮にいらしています。

私どもや多くの伊勢市民は、昨年12月に成年皇族になられた愛子さまのご来訪を心待ちにしているのです。しかしコロナ禍のため、愛子さまは、学習院大学へのご通学もずっと控えられています。それは天皇皇后両陛下への感染を防ぐためと伺っておりましたので、両陛下が地方ご公務を再開される10月以降が、伊勢ご来訪のめどになるのではないかと考えていました。

そのため悠仁さまのお成りについて伺った際に、『愛子さまの間違いではないのですか?』と、驚く関係者も多かったのです」

波紋が広がったのは、伊勢神宮関係者たちの間ばかりではなかった。

■同日には天皇皇后両陛下が地方ご訪問を再開

宮内庁関係者はこう明かす。

「眞子さんと佳子さまが20歳の誕生日からほとんど期間を空けずに伊勢を訪問されていることからもわかるように、秋篠宮ご夫妻は“神宮へのご奉告”の重要性を強く認識されています。

また愛子さまがコロナ禍のためにずっと外出を控えていらしたことも当然ご存じでしょう。

それにもかかわらず、悠仁さまの伊勢ご訪問を決断されたことに驚きましたし、それは愛子さまも同じように感じられているのではないでしょうか」

天皇家の長女・愛子さまの「成年ご奉告」と皇位継承順位2位の悠仁さまの「高校進学ご奉告」、どちらが優先されるべきかという問題でもあるが、この宮内庁関係者は次のように断言する。

「宮中ではご身位(しんい。皇族の身分や地位)がもっとも重要ですので、愛子さまのご奉告のほうが優先順位は高いはずです。

また、時期も愛子さまのご成人のほうが、悠仁さまのご入学よりも早かったわけですからね。

皇嗣職は、神宮美術館での特別展ご鑑賞がおもな目的で、その機会に、伊勢神宮もご参拝すると説明しているのです。

しかし『特別展鑑賞は口実にすぎないのではないか』と見る向きもありますし、悠仁さまが“身位を無視して割り込んだ”という印象はぬぐい切れません。

さらに言えば、10月1日には天皇皇后両陛下が『とちぎ国体』の開会式に出席されます。3年ぶりの地方ご訪問ですので、宮内庁内でも『なぜ同じ日に参拝することになってしまったのか』という疑問の声が上がっています」

伊勢神宮ご参拝にまつわるこの異例の事態からは、秋篠宮ご夫妻のご焦燥が感じられると語るのは、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんだ。

「将来の悠仁さまのご即位は、現在の皇室典範が維持されることが前提となっています。しかし眞子さんの結婚、悠仁さまの高校ご進学の経緯についての説明が十分でなかったこともあり、いまだに秋篠宮家への風当たりは強く、いっぽうで『愛子さまを将来の天皇に』という国民の声があるのも事実です。

悠仁さまの皇位継承に若干なりとも不安を感じていらっしゃるからでしょうか。秋篠宮ご夫妻は、悠仁さまの“皇位継承者としての存在感”を高めたいあまり、広い視野を失ってしまわれているように思います。

あたかも天皇家のご活動に張り合っているような印象を世間に与えることは、悠仁さまや秋篠宮家の将来にとっても好ましくないでしょう」

天皇皇后両陛下の栃木県ご訪問、悠仁さまの三重県ご訪問のほかにも、10月から皇族方のお出ましは増えていくという。いまはご通学を自粛されている愛子さまにも“実りの秋”が早く訪れることを祈るばかりだ。

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