「都知事選が終わって、なんか珍現象が起きてるなと、俺はひしひし感じんだよね。ズバリ言うと、石丸・蓮舫叩きがテレビメディア中心に始まったってね感じるんだな」
7月16日までに更新した自らのYouTubeチャンネルで、こう語ったのはフリーアナウンサーの古舘伊知郎(69)。
冒頭のコメントに続けて「地上波のテレビがもう徹底的に、石丸あるいは蓮舫両氏にそれぞれにダーっと質問攻めで群がった。ダダダダと群がった。入れ食い状態のようなインタビュー始めたわけだよな」とし、「それまでは公平性を担保するという典型的な放送法第4条の大義名分の元にやんなかったんだから。そんなに扱わなかったんだから」と指摘。一部の候補者を取り上げなかったメディアの報道姿勢を、疑問視した。
その例として石丸氏の名前を挙げ、「最後の街宣からおそらく、石丸さんなんか一睡もしてないだろうと想像すんだけど。その一睡もしてない1人によってたかって辛辣なインタビューをダーっとやるってのはどうなの」と批判。
いっぽう、石丸氏は投開票直後にNHK記者から「今回当選に及ばなかった要因を自身はどう感じている?」と投げられると、「NHKをはじめマスメディアが当初まったく扱わなかった」と述べていた。古館はこの発言にも触れ、次のように持論を展開した。
「これに関しても色々言われてるわけだけども。
■インタビュアーにも苦言「古市さんも何であんな風に言うのかな」
こうした批判の矛先は、日テレ系のYouTube選挙特番で石丸氏とのやりとりが注目を浴びた社会学者・古市憲寿氏(39)にも及んだ。
古市氏は選挙特番の中で、「現状、出口調査を見る限り、どうやら石丸さんが2位らしいっていう。これは率直に結果というか、そういう出口調査を聞いた時に、やっぱりちょっと嬉しかったですか?」と質問。すると石丸氏は「いいえ、特に」と否定し、「そういう煽り方をするから、都民・国民の意識がダダ下がりなんですよ。いい加減に分かってください」と窘めていた。
古館はこのやりとりに「俺の感覚で言うとね、古市さんも何であんな風に言うのかなっていうのが俺の正直なところ」と首を傾げ、「『落選して2位で嬉しかったか』という質問は、寡聞にして俺聞いたことがない」とコメント。
さらに古館は、“政治屋”を批判する石丸氏と古市氏の議論が嚙み合わなかったことにも言及した。
石丸氏は“政治屋”の定義を「政治のための政治、党利党略、自分のための政治」と説明していたが、“政治屋”と石丸氏自身の違いについて質問した古市氏に「先ほど(政治屋の)定義についてお話ししましたよね?」「え? もう1回言えってことですか?」と逆質問を繰り返していた。
古館は一連のやりとりを振り返り、「政治屋っていうのは石丸さんにいちいち聞かなくても、政治という産業で金儲けをする裏金議員たちのことを言うんじゃないの?」と反論。そして古市氏について「『石丸さんは政治を生業にする政治屋と一緒なんじゃないですか?』と、こう言いたかったんじゃないかな」と推測し、こう主張した。
「考えてみれば生業つうのはさ、金儲けの手段ばっかりにしなけりゃいいわけで。とりあえずみんなの前で選挙の時に、石丸という人間が『政治屋一掃』って大見得切ってガツンと言ったんだったら、有権者はそれ一旦預かってさ。裏切られたら、投票でまたドンと示せばいいだけのことであってさ」
石丸氏をめぐっては、各選挙特番でのインタビュアーに対する態度が“高圧的”だと物議を醸したが、古館によれば同氏が“ブラック石丸”と“ホワイト石丸”を使い分けているという。
「質問者が意地悪に『ここ突っ込んでやろう』『政策の具体性があんたは希薄だって言ってやろう』っていうのを遠回りに遠回りに言ってたりするから、『なに遠回りに言ってんだ』っていう時に“ブラック石丸”が登場して、ドンと言う。『言い過ぎたな』と思ったら、次また別なテレビ番組に出て“ホワイト石丸”を演じる。これを繰りしてる。
『え、ホワイト石丸?ブラック石丸?』っていいじゃない、別に。だって政治をエンタメ化するっていう手段を言ってんだから。
そんな古館は、にわかにネットで流行した“石丸構文”についてもこう持論を述べていた。
「石丸構文っていうのは、質問者の整理がついていない状態の何だかよくわかんない質問。あるいは整理をしないで、自分の求めている答えに誘導尋問していく時に発せられた言葉を見抜いて、“その手に乗らないよ話法”を石丸構文っていうの。だから石丸構文というのは、質問者が作ったもんだってことを言いたいの」
古館の私見に、動画のコメント欄では《正論!まさにその通り!》《全て古舘さんの言うとおり!全面的に支持します!》と賛同の声が。だがネット上では、石丸氏を全面的に擁護するような主張には、冷ややかな視線も注がれている。
《逆張りなのでしょうか? まったく共感できません》
《石丸氏を押した自分の見識を必死に擁護しているだけのように思えます》
《批判されるべき所で批判される事はいじめとは違います。古館氏の推しなのはわかりますけどね》
《この人はずっと信用していたのにガッカリだよ…》
《一睡もしてないなどと庇っているが、ニュースキャスター時のこと忘れて、適当な事言うなよ》