7月30日、ロシアのカムチャツカ半島近くでおきたマグニチュード8.8の巨大地震で、日本国内で最大1.3メートルの津波が観測された。

今回の地震は、東日本大震災と同じ「逆断層型」と呼ばれるもの。

将来発生が懸念されている南海トラフ地震もこのタイプで、広範囲に甚大な被害をもたらす可能性がある。

今後、そうした大規模災害を想定した備えは常に必要だ。そこで2022年に掲載し、反響の大きかった「地震火災の防ぎ方」に関する記事を改めて紹介する。(以下、『WEB女性自身』2022年6月10日配信)

東京都が公表した最新の首都直下地震の被害想定では、火災による死者が4割を占めている。自分の家から火を出さず、命を守る方法を専門家に教えてもらったーー。

5月25日、東京都は首都直下地震の被害想定を10年ぶりに見直した。都が想定した最大の被害では、東京23区の約6割が震度6強以上の揺れに見舞われ、死者数は6148人、建物被害は19万4431棟に達するという。

そんな被害想定で気がかりなのが、6148人と想定される死者のうち、4割にあたる2482人が火災によって命を落とすことだ。

地震火災で命を落とさないためにできる備えはどのようなものがあるのだろうか? 備え・防災アドバイザーの高荷智也さんが最新の地震火災対策を教えてくれた。

■古い延長コードは地震の際に出火の原因に<地震火災対策11>

【1】白熱灯はLED電球に

照明が揺れで転倒して布団の上に倒れたりした場合、高温になった白熱灯から引火する可能性が。

【2】火災警報器を点検・設置する

火災警報器が作動すれば、万が一出火した場合も気づくことができて初期消火をしやすくなる。

【3】古い延長コードは使わない

劣化したコードの上に物が落下するなどして断線すると、出火する可能性がある。

延長コードの寿命は3~5年。

【4】感震ブレーカーをつける

大きな地震が発生した際に、強制的に電源を遮断してくれる感震ブレーカー。災害時に通電したまま放置すると危険な水槽用ヒーターや暖房器具には、手軽なコンセントタイプのものを利用するのも手。

【5】コンセントの周りにほこりをためない

家具などにつぶされ、コンセントが変形するとプラグ部分が過熱して出火の危険性が。ほこりがあるとより燃えやすく。

【6】古いストーブは使わない

古い暖房器具には転倒した際に電源が切れる“転倒オフ”スイッチがついていない場合が。もちろん燃えやすいものは近くに置かないように。

【7】コンロの周りに燃えるものを置かない

揺れによって転倒・落下した可燃物に引火する可能性がある。

【8】取り出しやすい場所に消火器を置いておく

万が一、出火した場合に備えよう。家族全員で位置を把握し、取り出しやすい場所に設置を。最近では白色の消火器も売られるなど、シンプルなデザインのものも増えている。

【9】家具は固定する

家具の転倒により、電源コードが損傷して火花が出たり、暖房器具の転倒につながる危険性がある。

【10】カーテンは防炎・不燃性のものに

火災拡大の要因はカーテンへの引火。防炎カーテンなら万が一火がついても燃え広がりにくい。

【11】仏壇のろうそくはそのつど消す

火がついた状態で地震が発生し、ろうそくが倒れると危険。

“ウィズ地震”と心得えて、火事で死なない対策を早急に始めよう。

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