8月10日から記録的な大雨となった熊本県と福岡県では、川の氾濫に巻きこまれるなどして4人の方が亡くなった。

“体験したことがないような大雨”が頻発する日本。

台風シーズンを控え、大水害から命を守る行動が不可欠だ。

備え・防災アドバイザーの高荷智也さんがこう語る。

「水害時に生死を分けるのが避難するタイミング。夜間を避け、冠水する前に避難することが大前提。自治体から発令される避難情報には5段階の警戒レベルがあり、一般の人は警戒レベル4(避難指示)で、ハザードマップで水害リスクの高い地域に住んでいたら、すぐに避難行動を始めましょう」

それでも避難が遅れてしまい、いちばん近い安全な場所へ逃げるときにはどうすればいいのだろうか? 高荷さんのアドバイスをもとに「NG行動」をまとめたのがイラストだ。

「豪雨避難では、傘はさすのではなく杖がわりに。冠水時には用水路や側溝の位置がわからなかったり、マンホールのふたが開いていたりすることも。足元の安全を確認するために使ってください。

また服装はケガ、感染症の予防のため長袖・長ズボンが基本。上下セパレートの雨具は足元がぬれにくいので歩きやすくなります」(高荷さん、以下同)

■長靴は水が入ると重くなって歩けなくなることもある

不測の事態に備えて、なるべく両手を空けておくこと。

「身の危険が目前に迫っている場合は、移動の負担にならないよう非常用持ち出し袋は必要最小限に。バッグは両手が使えるリュックやショルダーがいいでしょう。

避難先でもぬれたままでは低体温症の恐れも。ぬれないようにした着替えやタオルを忘れないでください。

また片手がふさがる懐中電灯よりもヘッドライトがオススメ。避難行動は2人以上が原則です。ロープでつなぎ合うと、車が流れてきたときに全員が命を落とすリスクが。いざというときに、ほかの人を助けられる態勢をとっておきましょう」

水害の犠牲にならないためには、動きやすさがポイント。雨だから長靴がいいと思いきや……。

「私の経験では、ひも付きで足にフィットした長靴は、中に水が入っても脱げづらいです。しかし、ぶかぶかの長靴は水が入り込み重くなるので危険。ひも付きのスニーカーや登山靴などで逃げましょう」

命の分かれ目となるNG行動を知って大雨シーズンに備えよう!

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