「試合前のウオーミングアップとストレッチを見た現地の番記者たちが“今日の大谷選手は、いつも以上に気合が入っている”とみんな思っていたら、彼の父親と郷里の少年野球チームが観戦に来ていたんです。少年たちの前でホームランを打てたのは、さすが大谷選手だと取材陣もうなっていました」(在米ジャーナリスト)
ドジャース・大谷翔平選手(31)の父・徹さん(63)が今夏、LAを電撃訪問。
「大谷選手の地元・奥州市とカリフォルニア州のトーランス市は昨年10月、友好都市協定を締結。今回、日米野球親善交流の一環で国際試合が開催されました。滞在期間はおよそ10日間で、子供たち20人が現地のホストファミリーにホームステイして、両国の親睦を深める目的もあります。
彼らは、自らの練習試合に加えて、LAでメジャーリーグの試合を実際に観戦しました。ドジャー・スタジアムでは試合前の山本由伸投手が、スタンドで観戦していた子供たちにボールを投げ、金ケ崎リトルシニアの選手が見事にキャッチする一幕もあり、徹さんも興奮した様子でした」
ほほ笑ましい野球交流だが、当の大谷は最近、順風満帆とは言い難い状況になっている。
「8月9日、大谷選手はハワイ州ハワイ島での2億4千万ドル(約352億円)の高級住宅建設プロジェクトを巡り、代理人を務めるネズ・バレロ氏とともに、現地の不動産投資家ら2人から“不当に事業から外された”として同州の裁判所に提訴されました。訴状によると、大谷選手はこの事業の広告塔の役割を担っており、多額の損害賠償を求められているといいます。
14日の試合後、大谷選手はこの提訴に関して初めて口を開き『フィールドに集中したい。このチームの負けも続いているので、チーム全体として早く1勝して、一戦一戦勝ちきりたいと思います』と話しました。
13日の試合では勝ち越しのチャンスでショートライナーを打ち、メジャー初のトリプルプレーとなるなど、大谷選手に“ついてない”ことが続いているように思います」(前出・スポーツ紙記者)
そんななか8月13日に配信された「Number Web」のインタビューで、大谷は「今、何と戦っているのか?」と聞かれ、こんな注目発言をしていた。
「何と戦っている……何なんでしょうね。まあ、山で言えばもう頂上付近に来ているとは思うので、下りのことを考えなければいけない、ということと戦っているのかな。30(歳)過ぎたら、どうやって散っていくのかって」
■「また大きなケガをしてしまったら…」
今季は二刀流を復活させ、ホームラン争いでトップに立っている31歳の今、なぜ“散り際”のことを考えているのだろうか。前出のスポーツ紙記者はこう語る。
「大谷選手によれば、“自分の将来が楽しみで頂上へのぼっていく20代前半のときとは異なり、30代となった今は“最後の散り方を考えなければならない時期”だというのです。本人は“今が頂上”だとは決して思っていないものの、現役生活を“最高潮”で終わることは難しいので、日々全力を尽くすしかないという意味なのでしょう」
インタビューでは頂上にのぼった後に「ゆっくり下っていくパターンもあると思いますし、何かの時点で急に終わるというパターンもある」と、淡々と話していたが……。大谷家の知人はこう語る。
「実は徹さんは大谷選手の二刀流復帰については“もっと先のほうがよかったのでは”と不安を漏らしているのです。本来なら、ちょうど今の時期から投球練習を始めて、少し涼しくなった秋から正式に復帰するというスケジュールがベストだと考えていたと聞いています。ひょっとしたら徹さんは、大谷選手が頂上に達するため、どこか“生き急いでいる”印象を受けているのではないでしょうか」
いっぽうで、先日のレッドカーペットで約5カ月ぶりに公の場に登場した妻・真美子さん(28)は現在も実母の支援を受けているという。真美子さんの知人は言う。
「“そばにいてほしい”というマナ(真美子さんの愛称)たっての希望で、お母さんにはLAの自宅で生活してもらっているそうです。
もちろん現地のスタッフからも手厚いサポートを受けているのですが、何か不測の事態が起きたときに、お母さんが近くにいると安心して過ごせるというのです。今冬のLAの大規模な山火事被害や、山本由伸投手の自宅が先月、強盗未遂に遭ったことも影響しているのかもしれません」
父・徹さんの緊急渡米により、大谷夫妻と愛娘&真美子さん母、そして愛犬デコピンを含めると真夏のLAに大谷家6人が集結することに……。前出の大谷家の知人は言う。
「徹さんは常に全力な大谷選手を父親として心配しているのです。なかでも、“また大きなケガをしてしまったら、もう投手としてプレーできなくなる。だからケガにだけは気をつけて、孫が大きくなるまで二刀流の雄姿を見せ続けてほしい”と強く伝えているようですね。その思いは大谷家一同、共通なのではないでしょうか」
前人未到の頂上を目指し、焦燥感に駆られているようにも映る31歳の大谷へ、実父ゆえ呈することができる愛ある苦言なのかも――。