※本稿では映画『8番出口』の内容に一部触れています。また津波に関する描写が一部であります。
8月29日から公開中の二宮和也(42)主演の映画『8番出口』。累計販売本数180万本超の大人気ゲームの実写映画化ということもあって話題を呼んでいるいっぽうで、本来あるべき”観客への警告”がないことに指摘が相次いでいた。
同作は、無限にループする地下通路に閉じ込められたプレイヤーが”異変”を探して「8番出口」を目指すというゲームを実写化したスリラー作品。二宮のほか、小松菜奈(29)、河内大和(46)が出演している。
公開初日から3日間で観客動員67万1840人、興行収入9億5391万900円を記録。公開3日間で約3億4600万円を記録した映画『国宝』を上回り、公開3日間の興行収入は今年公開された実写映画で1位という大ヒットを記録している。
しかし、すでに67万人以上が鑑賞したなか、X上ではこんな指摘がXでは相次いでいた。
《ネタバレ云々置いて言うんですけど、津波描写がかなりエグいので3.11のトラウマが少しでもある人は注意すべきかなと。濁流と瓦礫の描写が本当に容赦ないです。そこだけ注意》
《8番出口映画には直接的な津波描写と津波巻き込まれ描写があります ネタバレとか言ってる場合じゃないガチのやつです 見る人は本当に注意してください これ警告無いの正直ありえないよ》
《見たらがっつり警報あり瓦礫も含んだ津波描写だったので、さすがにあれは一言注意は添えた方がいい》
というのも、本作には直接的な津波描写が登場するのだ。実際に映画を観た観客に話を聞いた。
「物語終盤の重要な場面で、地下通路のなかに激しい津波を思わせるような濁流が流れてくるシーンがあるだけでなく、二宮さんが津波にのみこまれ、溺れるようなシーンもありました。
‘11年3月11日の東日本大震災以降、こうした津波や地震などの自然災害が作品内に登場する際は、事前にアナウンスをすることが増えている。
「東日本大震災以降は特に、地震や津波の描写が映像に登場する際はフラッシュバックしてしまう人も多いため、事前に《地震の描写が登場します》《このあと津波の映像が流れます》といったいわゆる”トリガーアラート”と呼ばれる但し書きが事前に出ることがほとんどです。
最近の例では、’22年11月11日公開の新海誠監督の映画『すずめの戸締まり』には地震の描写がありましたが、事前の10月22日には映画公式Xで注意喚起されていました。『8番出口』では、こうした事前の注意喚起が行われなかったため、視聴者から指摘があがったのだと思います」(映画評論家)
そこで、映画の配給元の東宝に、一連の指摘や批判についての見解と、今後の対応について9月1日午前10時過ぎに質問を送ったところ、期限として設定した2日正午までに回答は寄せられなかった。
しかし、こうした指摘を受けてか、『8番出口』製作委員会は9月1日午後10時、公式Xで《本映画は、無限に続く地下通路を舞台としていますが、その中で津波など自然災害を想起させるシーンがございます。ご鑑賞にあたりましては、予めご注意いただきますようお願い申しあげます》と、注意喚起を呼びかけた。
遅きに失した注意喚起をシレッと行ったことにXでは改めて批判が上がっている。
《被害者が出てからじゃ遅いんですよ 何考えてんですか》
《なぜ初動の興行収入が出て公開してから4日後に出すんだろ 出すなら初日に出すべきだし、出さないなら徹底的に出さないかのどちらかにすればいいのに》
《今更です。初動3日間を意識してアナウンスしなかったんでしょうがイコール卑怯なやり口とも取れます。知っていれば観には行きませんでした》
東宝から回答があった場合、あらためて追記する。