9月4日に肺炎のため逝去した歌手の橋幸夫さん(享年82)。9日、東京・文京区の無量山傳通院で営まれた通夜には、700人以上が参列した。

’60年の歌手デビュー曲『潮来笠』以来、吉永小百合(80)とのデュエット曲『いつでも夢を』など、数々のヒットを飛ばし、ファンを魅了してきた橋さん。西郷輝彦さん(享年75)、舟木一夫(80)と共に、「御三家」の一人として昭和歌謡界にその名を刻んだ。

通夜には、盟友・舟木の他、錦野旦(76)、鳩山由紀夫元首相(78)など錚々たる顔ぶれが参列するなか、独特のオーラをまとった一人の男性が姿を現した。金髪にオールバック、ティアドロップ型のサングラスをかけたスーツ姿のこの男性、まるでEXILEのメンバー・ATSUSHI(45)のような出で立ちだが……。その正体は“そっくりさん”のものまね芸人・RYOだった。

実はいま、通夜での振る舞いをめぐって、RYOが炎上の渦中にあるのだ。

「会場では報道陣に向けて『これからATSUSHIさんが来られます』とアナウンスが流れ、実際に囲み取材が行われたのですが、本人の第一声は『モノマネ芸人です』。まさかのオチに、現場では呆れムードが漂う中、RYOさんは橋さんとの間柄について、『お会いしたことはあるんですけど、お付き合いはないです。親交はないです』と特別な繋がりもないことを明かしました。

当日は一般の人も参列していましたから、もちろんRYOさんがいらっしゃるのは自由です。ただ、故人から“いつもの格好で”と伝えられたわけでもないのに、ATSUSHIさんを装った姿は、弔問の場において厳に慎まれるべきでしょう。さらに問題なのは、通夜の後にRYOさんが取った行動です。

RYOさんは9日夜にXで、《勘違いをさせてしまい大変申し訳ございませんでした》と謝罪。ところが、この投稿には、会場の立て看板の横に立ったり、取材に応じる自分の様子を3分にわたって撮影させた動画など、謝罪とは無関係の素材も添えられていました。そのため、多くのユーザーから《訃報に乗った売名》《動画を回す為にこの場を使われた遺族の方々が気の毒》といった批判が集中しました」(スポーツ紙記者)

RYOがいつもの装いで通夜に参列した真意だが、本人は囲み取材で「ものまね芸人なので、このスタイルで来た」と話したという。ATSUSHIの立場からすれば、赤の他人の炎上事案に少なからず巻き込まれた迷惑なかたちだが、そもそも、RYOはATSUSHIのものまね芸人として、決定的に“勉強不足”な部分があるという。

「ATSUSHIさんといえば、サングラスがトレードマークで、ヘアスタイルも変遷をたどってきましたが、最近はオールバックが多いですよね。ここまではRYOさんも“完コピ”なのですが、何よりも重要なのが、ATSUSHIさんはフォーマルなイベントなどではほとんどサングラスをかけないということです。少なくとも、RYOさんがかけているような黒の濃いレンズではなく、目が確認できる程度の薄さのものを選ぶと思われます。

たとえば、’09年に行われた天皇陛下即位20年を祝う国民式典。当時のATSUSHIさんは坊主頭で今より“いかつめ”のルックスの時期ではありましたが、式典ではサングラスどころかメガネもかけず、曲を歌唱していました。そのほか、’17年には俳優の杉良太郎さん(81)と共に、厚労省の肝炎総合対策推進国民運動『知って、肝炎プロジェクト』のスペシャルサポーターとして山口県を表敬訪問した際も、色の薄いレンズのサングラス姿でした。

さらに、今年2月、警視庁特別防犯対策のプロジェクト『ストップ・オレオレ詐欺47(SOS47)~家族の絆作戦~』のメンバーに委嘱された際、委嘱式では、やはり薄いレンズのサングラスをかけて壇上に立っていました。普段のイメージを保ちながら、しっかりとTPOをわきまえているんですね」(前出・スポーツ紙記者)

実際、今回のRYOの騒動に対し、ATSUSHIのファンの反応は実に厳しい。

Xでは、ATSUSHIの日ごろの振る舞いとRYOを比較し、こんな声が上がっている。

《サングラスして ポケットに片手突っ込んで歩いて あっちゃんはそんな態度取らない!過去にサングラスはもちろんアクセサリーも外してる!!ご遺族にも失礼だし非常識過ぎる!!》
《本物のATSUSHIはこういう畏まった場面でサングラスやピアスなんかしないと思うけど。ものまねのクオリティが低すぎる》
《あっちゃんは、ポケットに手を突っ込んで葬儀に参列するような人ではありません。しかも、黒いサングラスをかけて葬儀にとか。TPOをわきまえて、人に礼儀尽くす方です》
《ATSUSHIは最大限の敬意を示すときにサングラスはしない。天皇陛下即位20年の式典を見ればわかる》

RYOがものまねだけていたのは見た目“だけ”だったようだ。

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