「私のことを思って、よかれと思って思いを巡らしていただいた結果でありますが、私がもっと強ければ、しっかりしていれば心配かけることもなく、こうしたことは起こらないだろうという風に申し訳なく思います」
9月26日の閣議後に臨んだ記者会見で、こう詫びたのは小泉進次郎農相(44)。10月4日投開票の自民党総裁選で最有力候補者と目されているが、9月24日の「文春オンライン」報道をきっかけに明るみになった“ステマ指示”が顰蹙を買っている。
「文春オンライン」の記事によれば、小泉氏の陣営は陣営関係者や支援者に対して、小泉氏を称賛するようなコメントを動画配信サイト「ニコニコ動画」に書き込むように指示するメールを送信していたという。“書き込んでほしいコメント例”として《あの石破さんを説得できたのスゴい》などと小泉氏を持ち上げる声のほか、他候補者の高市早苗前経済安全保障相(64)を貶めるような内容もあったと伝えられた。
「こうした“ステマ指示”を要請するメールを送信していたのは、陣営で広報班長を務める牧島かれん元デジタル相(48)の事務所でした。陣営で事務局長代理を務める小林史明衆院議員(42)が25日に記者団の取材に応じ、大筋で事実関係を認めたのです。
小林氏は、牧島氏が文春の取材に“自分が十分にチェックをしてやるべきだった”と回答したことに触れ、“陣営としてもルールを守ってやっていく方針は共有されている”と説明。牧島氏も26日に、『一部いきすぎた表現が含まれてしまった』と陳謝するコメントを発表しています」(全国紙記者)
こうした騒動を受けて、記者会見で冒頭のように謝罪した小泉氏。「私自身も知らなかった」「再発防止を徹底して、引き続き緊張感を持って、総裁選に臨みたいと思います」と釈明していたが――。前出の全国紙記者は続ける。
「そもそも自民党の総裁公選規則・第12条の2では、《何人も、選挙の清潔、明朗及び公正を害する行為を行ってはならない》と明記されています。小泉氏本人が“ステマ指示”をしていなかったとはいえ、陣営の中枢メンバーが規則を理解していないとは驚きです。
小泉氏は牧島氏の処分に関しては言及しておらず、記者会見では擁護しているようにも見えました。総裁選は国民投票ではないため影響は限定的だと見られますが、国民の間では批判の声が噴出しています」
小泉氏を支える陣営の大失態は、有識者たちもあ然としたようだ。
《えw。まさか本当にやってたのか。まさにバカ丸出し。小泉陣営、もし最悪で政権とったら、そのまま小泉「政権」の基本的性格になるかもね。バカまるだしが》
さらに別の投稿では、《小泉陣営は「やらせコメント」という偽情報の拡散をやっておいて、他方でよく「小泉進次郎ファクト」などといえたもんだな。まさに吐き気がする欺瞞である。総裁選辞退すべきだね、小泉進次郎は》と痛烈批判。
また、株式評論家・早見雄二郎氏も、25日に更新したXで《自民党がいかに腐り果ててしまったか、よく分かりますね》と一刀両断していた。
昨年に挑んだ総裁選のリベンジを果たすべく、今回の総裁選にも立候補した小泉氏。しかし投開票日が近づくにつれて、不安要素が増しているという。
「今回の総裁選は、295人の国会議員票と同数の党員・党友票の計590票を争うフルスペック方式が採用されています。
20日の記者会見で国民の意見を聞く『なまごえプロジェクト』を再開すると表明しつつも、Xのアカウントのコメント欄は閉鎖したまま。また、24日の立候補者討論会では、林芳正官房長官(64)から“日銀との連携”について質問がありましたが、小泉氏は要領を得ない回答に終始していました。
総裁選では物価高対策が焦点になっていますが、国際情勢も不安定な状況にあります。小泉氏に対して“日本を牽引するリーダーの素質が乏しいのではないか”と不安視されるなか、今回の件は国民の信頼を損なう致命傷になりかねないでしょう」
24日には小泉氏の発言や政策に関する“事実”を伝えるサイト「小泉進次郎ファクト」も立ち上がったばかりだが、クリーンなイメージは遠のいてしまったようだ。