「愛子さまっ!」「おおっ!」
東京都世田谷区のJRA馬事公苑。バルコニーに愛子さまがお姿を見せられると、会場から大歓声が上がった。
9月23日に開催された「第50回愛馬の日」。皇室担当記者はこう語る。
「日本中央競馬会(以下、JRA)は秋分の日に、各地の伝統的な馬事芸能などを披露してきました。’99年と’09年には、当時は天皇皇后両陛下でいらした上皇ご夫妻も臨席されています。今回は50回目という節目でもあり、特に若い世代に馬事文化を発信したいと、JRAが“ぜひ愛子さまに”と、お出ましを依頼したそうです」
愛子さまに“ひと目お会いしたい”、そんな思いで、ご到着よりかなり前から会場に駆けつけていた人々も多かったという。当日、馬事公苑を訪れた男性によれば、
「お車が着くエントランス付近には、3時間も前から望遠レンズがついたカメラを持った一般の男性や女性たちが集まっていました。
私もご到着の30分ほど前には、再度その場所に行ってみたのですが、そのときには幾重にも人の壁ができていて、愛子さまをお見かけすることはできませんでした。
またバルコニーにお出ましになった際の大歓声に、愛子さまの人気の高さをあらためて肌で感じました。私は新年一般参賀にも行ったことがありますが、それにもまさる熱狂度だったと思います」
愛子さまの人気の高さについて、JRA馬事公苑の担当者は本誌の取材にこう語った。
「今年の『愛馬の日』には3万95人にご来場いただきました。前年比で121.1%、人数にすれば約5千人増えたことになります。
■愛子さまは、すぐに建物へは入らずに…
前出の皇室担当記者によれば、
「愛子さまは馬事公苑のメインアリーナで、パレードや古式馬術をご覧になりました。その後は、インドアアリーナに移り、パリ五輪で92年ぶりのメダルを獲得して注目された、戸本一真選手の障害馬術を観覧されたのです。観覧後に愛子さまが近づくと、馬が歯ぎしりしたのですが、『緊張の歯ぎしりですか?』と、話されていたことが印象的でした。
愛子さまは以前からたびたび、皇居の車馬課の厩舎をお訪ねになり、馬たちとふれ合われています。最近はなかなか、そうしたお時間はとれないようですが、お言葉からは愛子さまの馬たちに対する優しい愛情が伝わってきました」
この日の愛子さまのご様子について、長年皇室番組に携わる放送作家・つげのり子さんは次のように話す。
「かつてご一家が那須御用邸で静養された際、幼い愛子さまは那須塩原駅での、奉迎者の多さに驚いていたご様子でした。
それから十数年、数万人という観衆の歓声にも堂々と、笑顔で手を振られているお姿は大変感慨深かったです。
馬事公苑に到着されたときも、担当者が建物のなかにご案内していましたが、愛子さまはすぐには建物に入らず、待っていた一人ひとりに笑顔を見せるように、手を振られていたのです。
またパリ五輪銅メダリストの戸本一真選手と懇談されたとき、ご覧になった障害馬術だけではなく、クロスカントリーについてもお話しされていました。戸本選手がどういった競技に取り組んでいるのか、しっかりお調べになっていたのだと思います」
愛子さまの堂々としたお振る舞いについて、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、
「愛子さまは、天皇家の長女として、国民が皇室に抱いている敬愛や崇拝の念に対して、恥じることがないようなお振る舞いにつとめておられると感じています。
多くの国民が望む理想の皇族像を愛子さまは体現されており、それが将来のご即位を願う声にもつながっているのでしょう」
この日も、午前中に皇居で宮中祭祀「秋季皇霊祭の儀」「秋季神殿祭の儀」に参加されてから、馬事公苑にお出ましになった愛子さま。国民の期待に応えたいというお気持ちからか、日本赤十字社でのご勤務、宮中祭祀、ご公務と、睡眠時間を削って臨まれているという。
ある宮内庁関係者によれば、
「特にご公務に関しては、行事の趣旨や、お会いする人々のプロフィールなどを綿密にお調べになってから参加されているのです。
またお召し物や所作にも非常に気を使われています。たとえば、『週刊文春WOMAN 2025秋号』では8月の宮中茶会でのエピソードが記載されています。
茶会では愛子さまは“カーテシー”を披露されていましたが、和装でのカーテシーは裾を崩しやすいため、どうすれば美しいカーテシーになるのか熱心に確認されていたそうです」
実はそんな不眠もいとわない不断の努力ぶりを、憂慮している方がいるという。
「それは雅子さまです。愛子さまの真摯なご姿勢に喜びつつも、お母さまとして、ご体調が心配になるのか、『健康に注意することも忘れないで』と、声をかけられているようです」(前出・宮内庁関係者)
愛子さまには、そんなお母さまの“愛の説諭”に従って、ときには以前のように皇居の厩舎に立ち寄り、癒しのひとときを過ごしていただきたい。