《馬車馬のように働いていただきます。私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます。
そう発言したのは、自民党の新総裁に選出された高市早苗氏(64)。4日に行われた総裁選の勝利演説で強い決意を語っていたが、この発言は数日が経過した今でも“国民に長時間労働を強いるのか”と物議を醸している。
総裁選当日、高市氏の演説後に挨拶をした石破茂首相(68)からは「あそこまではっきり“ワークライフバランスやめた”と言われると、大丈夫かという気がせんではないんですが」とチクリ。7日には三原じゅん子こども政策担当相(61)が閣議後記者会見で「総裁としての決意を述べられたのかなと思う」と前置きしながら、「共働き、子育ての実現のためにワークライフバランスは重要」と述べるなど自民党内でも異論が噴出。
共産党の志位和夫氏(71)は、自身のXで《「ワークライフバランス」「馬車馬」発言の深刻な問題は、これらの言葉にこの発言をした人物の「労働観」「人間観」が剥き出しの形で現れており、その人物が政権与党の党首であるところにある。》と批判。立憲民主党の蓮舫氏(57)も、《ワークライフバランス、選択的夫婦別姓、人を大切にする動きが後退しないよう、政治の責任を果たしていきます。》と高市氏を意識した発言をXで投稿するなど、他党からも意見が相次いだ。
さらにこの動きは政界にもとどまらない。衣料通販サイト「ZOZO」の創業者で実業家の前澤友作氏(49)は《ワークライフバランスなんて人生で一度も考えたことなかったです》、元ロンドンブーツでお笑いタレントの田村淳(51)は《働きたくない人に規定時間を超えて働かせるのは良くないけれど、政治家として『国のために働きまくる』と言ってくれるのは、国民としてありがたいことだと思う》と自身のXに投稿して私見を述べていた。
そんななか、高市氏が9年前に自身のHPに掲載した“あるコラム”が注目を集めている。
「それは高市氏が、安倍晋三内閣で総務大臣を務めた約2年間を振り返った“総務省の『働き方改革』の悩み”と題したコラムで、官僚の長時間労働を減らす努力と、その中での現場の声との板挟みを赤裸々に記しています。
“早朝レク”という、国会答弁の準備のため大臣が課長や局長から答弁書の内容について説明を受ける会が、委員会開始前の4時~8時にあったのですが、高市総裁は当時大臣就任早々、長時間勤務を避けるために廃止しました。しかし、後に現場から“個別に答弁書を大臣と話し合う機会が持てなくなった”などと廃止に反対する声があがったのです」(全国紙政治部記者)
コラムはこんな言葉で締めくくられている。
《職員が生産性の高い仕事をする為にも、可能な限り睡眠時間や家族との時間を確保していただきたいと願っている》
《「働き方改革」が大きなテーマとなっている中で、悩ましいことですが、1人でも多くの職員が生き生きと働ける道を探りたいと思います》
同コラムは今、SNSで話題となっており、以下のような声があがっている。
《この頃から誰よりも自分以外のワークライフバランスを考えていましたね。》
《このコラムを読めば、ワークライフバランス云々は、的外れな揚げ足取りだと分かるはずだ。》
《周りのワークライフバランスを改善するため 自分のワークライフバランスを犠牲にする人》
《ただの言葉狩り。国会議員にこれぐらいの気概があって当然だろう》
(すべて原文ママ)