手元にお金がなくても「一生に一度のことだし」と、無理してしまうことも。
出会いは紹介
「夫とは、友人の紹介で出会いました。友人が勤めている大手企業で私に合いそうな人がいるからと声をかけてもらって。友人からの前評判も良かったし、会う前から期待していましたね」そう語るのは川西沙知さん(仮名・36歳/神奈川在住)。紹介で知り合った彼とはすぐに意気投合。出会ってから1年でプロポーズされたそうです。
「物腰が柔くて、背が高いこの人とはこの先もずっと長くやっていけそうだなって思いました。
結婚式は海の見える憧れのチャペル
沙知さんは、これまで友人の結婚式に何度も参列してきたそう。自分の結婚式ではどんなシチュエーションでどんなドレスを着るかなど、いろいろと想像していたと言います。「地元の友人は結婚が早く、20代前半から毎年のように結婚式に出ていました。職場でも次々と同僚が結婚していったので。そうですね、かれこれ20回以上は参列していますね。
結婚式に行く度に自分の結婚式でやりたいことと、やりたくないことが明確になってきたんです。自分の結婚式はチャペルから海が見える場所で、ゲストは120人以上呼んで、ドレスはお色直しは3回して……とかね」
逆算して結婚式を決行!!
「希望していた式場にすぐに見学の予約を入れました。
結婚式費用の見積もりは700万円でした。沙知さんの計算では、120人のゲストから3万円ずついただいて360万円、親族や上司はプラスで2万から5万いただいたとして、およそ400万円はご祝儀でまかなえる計算だったそう。
華やかな結婚式で最高のおもてなし
「どの結婚式よりも良い結婚式だったと思います。お料理も最上ランクのコースにして、生演奏や装飾のお花もボリュームいっぱいの生花にしました。衣装は前撮り撮影があったので、挙式披露宴でのお色直しは2着にしましたが、ゲストも満足そうにしていました」ついに自分の結婚式が挙げられ、自分が主役になれたことにも大満足だったという沙知さん。
「幸せな時間でしたね。あの時を、もう何年も夢見ていましたから」
さて、ご祝儀で前金の残りを入金
「なんと、夫の上司からのご祝儀の金額が、みんな一律で1万円だったんですよ! まったく想定していなかったので本当に驚きました。彼は誰もが知っている大手の企業に勤めているので、私も当然ご祝儀に期待していたのですが……」
新郎側のゲストは友人よりも上司が多く12名のご招待だったそう。
「1万円なんて、披露宴のお料理代にもならない金額ですよ。
知らなかった! 暗黙のルール
後日、夫を紹介してくれた友人に聞くと、会社には暗黙のルールがあるそうで。それは、結婚式に呼ばれることが多い係長以上は、部下の結婚式のご祝儀は一律で1万円にするというルールでした。「夫を紹介してくれた友人は、夫が私に上司のご祝儀のことは伝えていると思っていたようです。夫はそういうのに無関心なタイプで、全然わかってなかったですね」
結局、結婚式で足りなかった分はカードで決済することに。沙知さんは予想外の金額を支払うことになり、「先に上司のご祝儀額を知っていたらな」とモヤモヤしたそうです。
とんだ災難に見舞われてしまった沙知夫婦でしたが、この先、沙知さんの夫が昇進して、部下の結婚式に参列する立場になった時はご祝儀が少なくてきっと安心することでしょう。
<取材・文/maki>