『楽園ベイベー』などのヒット曲で知られる5人組ヒップホップグループのRIP SLYME。2022年以降は3人体制で活動していますが、期間限定で5人体制での活動を再開することが先日発表されました。


 発表を受け、RIP SLYMEとともに青春を送ったアラサーやアラフォー世代から歓喜の声があがっています。

私生活も話題。日本ヒップホップ史を塗り替えるも活動休止に

RIP SLYME再結成、“いじめ疑惑”や不倫・離婚で「5人...の画像はこちら >>
 1994年、初期メンバーで10代の頃から知り合いだったMCのRYO-Zさん、ILMARIさん、PESさん3人それぞれの頭文字を取ったグループ名で結成されたRIP SLYME。

 その後、DJ FUMIYAさんとMCのSUさんが加入し、インディーズを経て2001年にメジャーデビューしました。

 翌年に発売した2ndアルバム『TOKYO CLASSIC』はオリコン1位となり、日本のヒップホップ史上初となる売上100万枚を記録。

 さらに同年には、日本のヒップホップグループとして初めての日本武道館でのライブ開催を行い、その後もCMソングへ起用されたり、さまざまなアーティストとコラボするなどの活躍を続け、幅広い世代に知られる存在となっていきました。

 そんなRIP SLYMEは、日本のヒップホップをメジャーなものに押し上げた、先駆者的グループといえるでしょう。

RIP SLYME再結成、“いじめ疑惑”や不倫・離婚で「5人での活動再開は絶望的」説を越えた架け橋とは
画像:RIP SLYME『TOKYO CLASSIC』
 一方で、人気者の宿命のようにして、メンバーたちの私生活もたびたび話題に。

 2009年にILMARIさんがモデルの蛯原友里さんと結婚、続く2010年にはSUさんがシンガーソングライターの大塚愛さんと結婚し、メディアを大きく賑わせました。

 しかし2017年、SUさんが22歳年下モデルの江夏詩織さん(現在は別名義で活動)との不倫疑惑が「FRIDAY」により報じられ、SUさんだけ単独で活動休止に入ります。翌2018年には、大塚愛さんと離婚をしていることが明らかになりました。

 その報道の翌年、RIP SLYMEがグループとしての活動休止を発表します。


真偽不明の“いじめ疑惑”も「5人での活動再開は絶望的」説が有力だったが

 発表がされたものの、PESさんが旧Twitterにて、活動休止について「何も聞いていない」、「随分前からなにもできない立場なので謝ることしかできない」といった趣旨の内容を投稿。PESさんがグループ内でいじめられていたのではないかという疑惑も浮上していました。

 SUさんは2018年自身のインスタグラムでRIP SLYMEの活動休止について自分に責任がある旨を発信し、いじめ疑惑については2021年にRYO-Zさん、ILMARIさん、DJ FUMIYAさんの3人が公式YouTubeチャンネルで否定しました。

 ただ、PESさんは2019年に旧Twitterで「20年間、足を引っ張るなと言われ続けて来たのでもう迷惑はかけたくない」「私に発言する権限がない」、「お手伝いさんというかパシリ」とも発言します。

 さらに2021年には、グループの脱退と事務所の退所を2017年時点でしていたことをPESさんが発表。

 あわせて「彼ら3人には何度も心を折られている」などとも投稿したことから、ファンの間ではさまざまな憶測が広がり、いじめについての真相はなおも不明との見方がりました。

 そして2022年にはRYO-Zさん、ILMARIさん、DJ FUMIYAさんの3人体制でRIP SLYMEの活動が再開されることに。

 こうした一連の流れを受け、ファンの間では「5人体制でのRIP SLYMEは絶望的」、「もう5人がステージに立つ姿は見られない」、「仲良しグループのイメージがだったからショック」という、“完全諦めムード”が漂っていました。

ILMARIとPESの再会が復活の架け橋に

RIP SLYME再結成、“いじめ疑惑”や不倫・離婚で「5人での活動再開は絶望的」説を越えた架け橋とは
画像:RIP SLYME『どon』
 そうしたなか、2025年4月4日に「5人体制での活動再開」がRIP SLYME公式SNSで突如発表されたのです。

 RIP SLYMEのX公式アカウントによると、メジャーデビュー25周年の記念日である2026年3月22日までの期間限定でPESさんとSUさんが再加入する形で集結、8年ぶりに5人体制での活動をするそう。

 4月16日には5人での活動再開後初となるシングル『どON』の配信リリースを、そして5月には東京海の森公園で行われる野外フェス「METROCK2025」へ5人体制で出演することも発表されました。

 5人それぞれの個別コメントと5人が揃ったアーティスト写真も公開され、SNSやネットには「再結成はすごく難しかっただろうけどファンの期待に応えてくれて本当にうれしい」、「PES、いろいろあったかもしれないけどファンのために戻ってきてくれてありがとう!」、「私の青春が戻ってきた!」といったよろこびの声が溢れていました。

 また今回の再結成に際しては、ILMARIさんとPESさんが中心となって動いたことがうかがえます。

 2024年、ILMARIさんとPESさんがそれぞれのインスタグラムで2人の再会を報告。
約1年を通し、2人で過去と未来について話し合ってきたことがつづられていました。

諦めていた“奇跡の再集結”は見逃せない!

 音楽的な大成功を収め、さまざまな偉業を成し遂げたグループが、複数のメンバーの意見をまとめながら、同じ方向で活動を続けることの難しさは、昔から数々のグループやバンドの去就によって明らかとなっている通りです。

 自分たち自身で歩み寄って意見をすり合わせ、ファンに謝罪やできる限りの説明をし、さらに事務所や各所との調整をしながら再結成に至る――というのは、あまたの高いハードルがあるからこそ、稀なパターンだといえるはず。

 こうしたおめでたい発表を前に、もはや過去にどのようなボタンのかけ違いがあったのかを事細かく発表する必要がないのはもちろん、これ以上勝手に憶測を広げることは誰のためにもならないでしょう。

 実際にファンからは、このような声が。

「長くやっていればグループが分離するなんて当然。でもそれを乗り越える姿を見せてくれるのはさすがRIPSLYME」

「よく知らないラッパーが逮捕されてばかりで“ヒップホップ=悪い”っていうイメージがまた強くなってるけど、RIPはいろんな意味で本当のメジャーアーティストだと思う」

 と、さまざまな困難やスキャンダルを乗り越えて再結成を選んだRIPSLYMEを再評価する流れにもなっていました。

 5人体制での活動再開は来年3月までの期間限定。“5人”の姿を思う存分目に焼き付けたいと思っているファンは、今後約1年間のRIPSLYMEを余すことなくチェックしたいところです。

<文/エタノール純子>

【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中
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