こんにちは。これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。

もっといい人がいるかも。彼氏がいるのにマッチングアプリ

「30代で100万円は少なすぎ」貯金額で彼氏を見下した、実家...の画像はこちら >>
 筆者のところへ相談に来る方の中には、今彼氏がいるという方もいます。千葉県の実家で暮らす女性・美紀さん(仮名・29歳/販売業)もその一人です。

 今は29歳でもうすぐ30歳になる美紀さん。彼氏はいるけど、この人と結婚をしてもいいのか、別れて婚活して他の男性を探した方がいいのかと、悩んで相談に来たそうです。その彼氏とはお友達の紹介で知り合ったとか。

「婚活ってやったことがなくて、様子見でマッチングアプリに登録してみたんですけど、いい人があんまりいないんですよね。私が使ったアプリがよくないのかもしれなし、本腰を入れてやればもっといい人に会えるのかもしれないんですけど」

 どうやら彼氏がいながら、フライングでパートナー探しを始めているようです。アプリのアイコンが彼氏に見つかったらフラれるかもしれないのにと感じました。

 美紀さんは「見つかっても、ダウンロードしただけだから大丈夫と言い張ります」と言うのですが、“もし相手の立場だったら”という視点が欠けていて、危なっかしいのです


「彼氏の貯金が100万円しかない。少なすぎませんか?」

 彼氏はどんな人なのでしょうか? 美紀さんいわく、39歳の彼は優しくて、年齢のわりにかっこいいそうです。

 付き合った時から結婚前提と言われていて、今は付き合って5か月目。付き合ったばかりの楽しいことしかない時期は、だいたい3カ月目あたりまででしょうか。5か月目といえば、徐々に価値観の違いも感じはじめる頃です。

「30代で100万円は少なすぎ」貯金額で彼氏を見下した、実家住まい女性の“痛い失敗”。自分は年収200万円台なのに
100万円
結婚するつもりなのに、彼の貯金が100万円しかないって分かったんです。10歳も年上なのに少なすぎませんか?」

「派手な結婚式をしたりするには足りない額かもしれませんけどね。でも結婚はできるし、ふたりでこれから貯めていくこともできますよね。美紀さんは貯金が得意なんですか?」

私は奨学金の返済があって、一応貯めてるけど50万円より多いぐらいかなぁ

「彼は奨学金の返済があることは知っているの?」

「知ってます」

 千葉県にある私立大学の国際学部を卒業している美紀さんの奨学金返済は、残り100万円以上ありました。彼氏は一人暮らしだそうですが、美紀さんは実家暮らしです。本来、貯金しやすいのはどちらでしょうか。

自分は奨学金返済中で、婚活では不利な立場なのに

 友達の紹介や同じ職場で知り合ってお付き合いする場合と違って、婚活サービスの出会いは条件先行です。そしてお互い、同時にいろんな方と会って比較検討するのです。


 そうなると「奨学金返済中」だと知られたらマイナスになり、他の人を優先されてしまう可能性も出てきます。なお、婚活サービスのプロフィール項目に奨学金の項目はないので、相手に奨学金返済中と言わなければ気づかれることはありません。

 奨学金返済がある美紀さんを受け入れてくれる彼氏は大事にした方がいいとも思えます。

「30代で100万円は少なすぎ」貯金額で彼氏を見下した、実家住まい女性の“痛い失敗”。自分は年収200万円台なのに
奨学金
「奨学金返済がある美紀さんは、彼氏のことを『貯金が100万円しかない』なんて責められる立場ではないですよね

「そうなんですか。私より10歳も年上なんですよ?

 なんだか美紀さんは、彼氏より10歳若いからといって胡坐(あぐら)をかいているように感じます。

彼氏の貯金が少ないせいで、指輪も新婚旅行も我慢?

 美紀さんはどうしても納得がいかないようです。

「私も収入が多くないので、彼と結婚したら、結婚式とか新婚旅行とか我慢しなきゃいけなくなるってことですよね

「彼氏のせいで我慢しなきゃいけないって思ってませんか? キャリアアップして自分の年収上げればいいんですよ

 美紀さんは年収が200万円台で、契約社員でした。

「地元にはそんなに仕事がないから」と言うのですが、千葉に住んでいるのだから東京近くに通勤するとか、実家を出て働くとか、そうした選択肢は考えていないようです。

「マッチングサービスを使えば、男性側も当然いろんな女性と比較検討するんですよ。正社員で働いて結婚後も共働きしようと思っている堅実な女性も、バリバリ働く美人も、美紀さんよりもっと若い女性も、ライバルにいるんです

 あまりピンと来ていない表情の美紀さん。どうやら、正社員で働く女性の解像度が低いようです。同僚は同じ販売職の契約社員で、年収も同じぐらい。20代で結婚した友人は、今は子育てしながらパートで働いています。
友人の金銭事情や相手の雇用形態までは知りません。

私も、真面目にフルタイムで働いているから大丈夫ですよね

「そうだと思うけど上には上がいるから、美紀さんが婚活市場に行っても、今の条件だと有利にはならないってことですよ。大学受験で人気の大学を狙うなら自分の成績を上げるのと同じで、条件がいい男性を狙うなら自分の魅力を上げなきゃいけないの

金銭感覚や経済力も、女性が求められる条件なのに

「もっと痩せてメイクも習ったらいけますか?」

かわいければ第一印象では人気は出ますけど、パパ活じゃないんだから。結婚相手となったら、まともな人は相手の金銭感覚とか経済観念も見ますよ。

 奨学金返済があって貯金もあまりない女性と結婚したら、将来の蓄えも自分が使えるお金も少なくなる。そう感じる男性だっていると思わない?」

そこって気にする男性そんなにいます?

「合コンでの出会いとか友達の紹介なら、最初からは気にしないと思いますよ。でもマッチングアプリとかだと条件が先に見えて同時に複数人とやり取りするから、より比較検討されるんです。これから出会える人の条件が、今の彼氏より悪い可能性だってあります」

「そうなんですか!」

 美紀さんはとりあえず、今の彼氏ともう少し向き合ってみると言ってくれました。

もしも筆者が彼氏さん側から相談を受けていたら

 しかし数カ月後、その彼とお別れしたと報告を頂きました。

「30代で100万円は少なすぎ」貯金額で彼氏を見下した、実家住まい女性の“痛い失敗”。自分は年収200万円台なのに
別れるカップル
 美紀さんは彼氏に、「私のこと本当に好き? 好きだったら○○してよ」と、愛情を試しながら要求を通す言い方をしがちだったそうです。ある時いつもの調子で言ったら、「好きじゃないかも」と返されてしまったとのことでした。

 彼氏より10歳年下ということに甘んじすぎた美紀さんも、もうすぐ30代。女性の20代は下駄を履いた状態だったと、気が付いてほしいです。


 もし筆者が美紀さんの彼氏のような立場の男性から「奨学金返済額が残っている10歳年下の彼女がいて、私の貯金額が少ないと責められるんです。これは私が悪いのでしょうか?」と相談されたとしたら、「その彼女とは別れて、年齢が近く依存してこない他の女性を探しましょう」とアドバイスしたと思います。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt
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