親にとって我が子は、いつまでたってもかわいい存在。しかし、行き過ぎた愛情は我が子の結婚生活を壊してしまうこともあります。


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 京子さんは、ひとり息子を手元に置いておきたい母親の執念にゾッとした経験が……。義母の策略によって、結婚生活はわずか2年で幕を閉じてしまいました。

完全二世帯住宅にしたのに…夫を頻繁に呼び出す義母

「わかった瞬間、背筋が凍った…」夫から突然離婚を切り出され…後々わかった“義母の策略”とは
電話で話す姑
 京子さんは2年前、5歳上の夫・博一さんと結婚しました。博一さんの母親は生まれつき心臓病がありながらも、女手ひとつでひとり息子を育ててきた人です。

「だからか、夫はお義母さんにものすごく感謝していて。結婚前提の交際が始まった時から将来は二世帯住宅を建てて母親を見守れるような環境で暮らしたいと言われました」

 結婚後は京子さんの要望により、二世帯住宅は完全分離型に。その程度の距離感であれば、義母とはトラブルなく暮らせるだろうと京子さんは思っていました。

 ところが、二世帯住宅での生活が始まると義母は何らかの用事を作り、博一さんを頻繁に自宅へ呼び出すように。京子さんは、夫婦の時間が義母に奪われていると感じるようになりました。

週末に自宅へ来る義母に「夫婦の時間を邪魔しないで」と伝えた

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話し合う男女
「お義母さん、あなたに用事を頼みすぎじゃない? あなたも疲れてる時があるだろうし、お義母さんの健康のためにも、ひとりでできることはしてもらいましょうよ」

 ある日、見かねた京子さんは博一さんにそう伝え、距離感の見直しを頼みました。博一さんは「ごめん」と反省。夫婦で過ごす時間が減っていたことにも気づいてくれ、母親との関わり方を見直すと約束してくれました。

 しかし、義母はその変化が面白くなかったよう。ささいな用事では博一さんが動いてくれないことを知ると、週末にお菓子を持参しながら京子さん宅へ来て、「一緒にお茶でもしよう」と声をかけるようになりました。


「夫は義母をぞんざいに扱えないので、『いいよ』と賛成してしまいます。私はたまにならいいかなと思っていましたが、義母は毎週末やってくるようになったので我慢できなくなりました」

 耐え切れなくなった京子さんは博一さんが不在の時、義母宅へ。自分の寂しさを埋めるために夫婦の時間を邪魔するのはやめてほしい、息子に頼らずに自立してほしいと話しました。

「そしたら、お義母さんは意外なほどすんなり了承してくれました。目つきはなぜか冷たかったですが、『ごめんね。もう二度と京子さんたちの家には行かないから……』と約束してくれたので、ホッとして自宅へ戻りました」

嫁を悪者に仕立てあげた義母の“裏の顔”が怖すぎる…

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義母から毎日届くLINEにウンザリ
 ところが、この時のやりとりが京子さん夫婦に亀裂を生むことになってしまいました。数日後、博一さんは久しぶりに義母宅へ。やっぱり義母は約束を守る気がないんだと京子さんはイライラしながら博一さんの帰宅を待ちました。

 しかし、帰宅後の博一さんの行動は意外なものでした。突然、「お前とは離婚だ!」と京子さんを罵り始めたのです。

 京子さんが理由を尋ねると、博一さんは義母のスマホを出し、とある音源を再生。そこには、京子さんが義母宅へ乗り込んだ日の会話が録音されていました。


「義母は私を悪者にするため、やりとりを録音していたんです。ひたすら謝る義母と責めたてる私の声を聞くと、まるで私が老人いじめをしているみたい。こういう音源を作りたかったから、あの時、義母はわざと反論しなかったんだなと思いました」

 京子さんが何を言っても博一さんの意思は変わらず。数ヶ月後、2人は離婚することになりました。

 家を出ていく日、博一さんは仕事だったため、京子さんは義母に見送られて思い出が詰まった家を離れることになったそう。すると当日、義母の口から思わぬ言葉が……。「あんた、バカやね。私を大事にしとれば、こんなことにならんかったのになあ。あんたは博一にとって、その程度の女やったってことやね。あんたのこと、嫌いやったからせいせいしたわあ」と笑ったのです。

 これがこの人の本性……。そう知った京子さんは背筋が凍り、縁が切れたことに安堵しました。


 親子であっても、子どもは親のために生きているわけではありません。博一さんの母親がそれに気づかない限り、結婚後の悲劇は今後も繰り返されることでしょう。京子さんよりも縁を切るのが難しい博一さんが母から自由になれる日は、まだまだ遠そうです。

<文/古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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