渡部といえば、妻である女優の佐々木希が7月初めに放送された『1周回って知らない話』(日本テレビ系)で「多目的トイレ不倫」について初めてテレビで心境を告白し、大きな話題を集めた。
地上波を干された男がYouTubeで仕掛けた“グルメ逆襲劇”
そんな渡部だが、現在では芸能活動のメインはYouTubeの動画配信となっており、自身が開設したチャンネルも妻の告白ほどではないが注目を集めている。特に『アンジャッシュ渡部がいつか地上波のグルメ番組に出ることを夢見てロケハンする番組』は、チャンネル登録者数が7月22日時点で49.8万人となり、どの動画も30万近い再生数を確保する人気ぶり。
2023年4月にスタートしたこのチャンネルは、着実に熱狂的なファンを生み出している。このチャンネルは、タイトル通り不倫騒動で地上波テレビから干されている渡部が、テレビのグルメ番組に再び出演することを目指してロケハンを続ける内容である。
炎上すら追い風にする“図太いバランス感覚”

同チャンネルだが、50万人近い登録者がいるだけあって面白い。まず、渡部のトークがキレキレである点が魅力だ。最近の渡部といえば、ABEMAの番組や、出演した『罵倒村』(Netflix)などからも分かる通り、いじられキャラが定着している。
コンビで出演する『白黒アンジャッシュ』(千葉テレビ)では比較的自由に話しているが、それでもかつての勢いは感じられない。しかし、動画内では全盛期と同じ輝きを放つ渡部を観ることができる。訪れるお店のスタッフや街で出会った一般人とも楽しくトークを展開し、笑いを生み出している。
例えば、一番新しい埼玉県・南浦和を訪れた動画では、ファンの男性と軽快なトークを披露。
テレビより面白い? “失われた男”が起こす逆襲

結果、下手なテレビのグルメ番組よりも影響力が出始めており、渡部のチャンネルを観てお店に足を運ぶ人も増えている。
また、動画を盛り上げようとする姿勢も評価できる。同じく南浦和でのロケではスタッフが勝手に料理を頼む掟破りの演出を披露したが、渡部の処理が見事だった。
本来渡部が気に入った料理を食レポするルールがあるのだが、この回ではスタッフが食べたい料理を勝手に注文した。これに渡部は「とうとう一線を越えたな」と苦言を呈しながらも、「ナイスチョイス、めちゃくちゃうまそうだわ」と料理の見事な食レポを披露してフォローを行った。
忌避されても、残ったのはプロの仕事ぶり

また、「番組50回SP」では妻の故郷である秋田県のロケを行い、地元の人々にいじられまくるなど大胆な企画も展開。これまで培ったスキルをフル活用して動画を盛り上げようとする渡部の挑戦を堪能できる。
加えて、動画制作ではテレビ業界で人気の作家・カツオと西村隆志が関わり、テロップやインサート映像などもしっかり作り込まれている。前述したとおり、下手なテレビのグルメ番組よりも面白い動画に仕上がっている。
渡部がこのチャンネルをきっかけに地上波番組に復活できるかは不明だが、間違いなくおすすめできるグルメチャンネルである。
渡部のことを生理的に嫌いな人も、一度だけでも動画を視聴することをおすすめしたい。
<文/ゆるま小林>
【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆