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子どもを持つ母親なら多くの人が悩んだことがあるであろう“ママ友問題”。ママ友に対して不信感や違和感があるのに、「子ども同士は仲がいいから…」と我慢し続けた結果、大きな問題へと発展してしまうこともあります。
今回お話を聞いたのは、7歳、4歳の娘を育てる静岡県在住の主婦Sさん(32歳)。家も近所で、長女が通う幼稚園のクラスが同じだったことをきっかけに、ママ友Hさん(36歳・三児の母)と仲よくなったのが4年前のこと。
「もし当時に戻れるなら、『Hさんとは絶対に関わるな!』と自分に言いますね」とSさん。一体何があったのでしょうか…。
頻繁に子どもを預けたがるママ友にモヤッ
最初に違和感を抱いたのはHさんと仲よくなって数か月した頃。Sさんが娘と庭でプール遊びをしていた時のことでした。
その後も『うちの子が遊びたいって言ってるんだけど、遊べる? ちなみにあたしは無理だからSちゃんの家で!』と、一方的な連絡がかなりの頻度で来るようになり、次第にストレスを感じるようになっていきました。
『私は買い物に行かなきゃいけないから、うちの子だけ遊べる? Sちゃんの家でいい?』など、子どもを預けることを前提に連絡してきているといった印象を受けました」
子ども同士は楽しそうに遊んでいたので、我慢して受け入れていたと、Sさんは話します。
なんでも真似してきてうんざり
頻繁にHさんが家に来るようになってから、またもや違和感を抱く出来事がありました。「家にある家具や家電、私の身に着けているアクセサリーからメイク道具、化粧品まで、何でもかんでも真似するようになったんです。キッチンをリフォームするからとわざわざメジャーを持参し、我が家のキッチンの高さを測っていたり…。ちょっと気味が悪いなと感じました」
さらに真似したがるのは物だけにとどまらなかったとか…。
こっそり習い事を始めるもすぐバレる

ところが必死のHさん対策も虚しく、すぐにバレてしまいました。
「こっそり始めた習い事でしたが、子ども同士で幼稚園で話したのか、すぐにダンスのことはHさんに伝わってしまいました。そして『うちも一緒に習わせたい! 体験させたいから先生に連絡して!』と言われてしまいました…」
「ママは暇すぎて眠いんだって!」H娘の発言にア然
そうこうして娘が年長になっても、Hさんとの微妙な関係は続いていました。
『ママは暇すぎて眠いんだって! 一緒に行く?って聞いたけど、それより家で寝たいって!』って。正直、この言葉はかなり効きましたね。
その後Hさんはなかなかお迎えにも来ず、やっと電話がきたと思ったら『Sちゃん家の2軒先の家に兄が遊びに行ってるんだけど、いるかな? 兄に妹と一緒に帰ってくるように伝えてくれないかな? 今日忙しくてごめんね』と…。
これまでかなり気持ちを押し殺していましたが、これをきっかけに私はいいように利用されているだけなんだなと、心底悔しい気持ちでいっぱいになりました。その時は我慢したんですけどね」
これまで娘たちのためにずっと耐えてきたS子さんでしたが、ついに堪忍袋の緒が切れる出来事が起こります。
Hさんの家に遊びに行くと「外で遊んで」と指示
「子どもたちが小学生になっても、一緒に遊ぶことは頻繁にありました。ある日、近所の子どもたち数人でHさん宅で遊ぶことになったんです。Hさん宅に娘を連れて行くと、Hさんの娘は1人で庭で遊んでいたんです。『ママは?』と聞くと、『家に入っちゃだめだから外で遊んでって言われた』とのこと。子どもたちだけを預かって遊ばせてくれるというHさんに、この日は娘を預けました。そして帰ってきた娘から衝撃の事実を聞かされたのです…」トイレを貸してもらえずコップにオシッコ

このことが事実なのか混乱したSさんは、Hさんや一緒にいたお友達のママに連絡を取り、事実確認をしたと言いました。その中でのHさんとの会話がさらに衝撃的で、今後の関係性を変えていくこととなったそう。
Hさんの態度にイラッ、もう限界
「『この前、お邪魔した日ってトイレ壊れてたりした?』とやんわり話し始め、娘から聞いた衝撃的な出来事について触れてみたんです。するとHさんには話を軽くスルーされてしまったんです。三時間半の話し合い
ついにHさんと話し合いの場をもうけることになったSさん。今まで抱いていた不満や怒りを打ち明けます。
まったく反省してない様子、それどころか…
「どうしてこんなことを言うのか、一つ一つ嚙み砕いて説明したのですが、Hさんは『もう小学生だし、いつまでも親がべったりなのはどうかと思う。価値観が違う』とバッサリ。もっと、お互い様精神を持ってくれていたら、こんなことにはならなかったと思いました。遊ぶか遊ばないかは子どもたち本人が決めることなので、子どもに今回のことで何か言おうとも思っていません。でも、家の行き来は今後は控えて公園で遊ぶようにすること、その際の送り迎えは自分ですることなど伝えました」
ここまで来るのに時間がかかってしまいましたが、勇気を出して話せてよかった、本当に辛かった4年間だったとSさんは語っていました。
<文/鈴木風香 イラスト/ただりえこ>
【鈴木風香】
フリーライター・記者。