2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(39歳・以前は小林悠として活動)。

「タコパ」「恋人を作る」…39歳独身・元キー局アナがドラマの...の画像はこちら >>
 TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。
アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
 第46回となる今回は、40歳の誕生日を目前に控えるアンヌさんが最近ハマっているドラマについてつづります(以下、アンヌさんの寄稿です)。

“40までにしたい10のこと”をなんとなく考える

 40までにしたい10のことーー。40歳の誕生日まであとひと月ちょっとなので、なんとなく考え中の今日この頃。

 なぜかといえば、同名のドラマにハマりにハマっているから。

 いわゆる「BLモノ」という枠にはおさまりきらないドキドキと、共感と、全体に流れる優しい空気感が心地よく、周りのひとに「観てる?」と聞きまくっている私です。

 番組の公式サイトからドラマのあらすじを引用すると、

「10年以上恋人なし・会社と家を往復するだけの毎日を送る十条雀(風間俊介)は、気づけば40歳の誕生日まであと3か月。人生の節目にふと感じた焦りから、雀は“40までにしたい10のことリスト”を作る。

『タコパ』『服の趣味を変える』『恋人を作る』…。ところがそのリストを後輩のイケメン部下・田中慶司(庄司浩平)に偶然見られてしまった!

しかし、慶司の提案でふたりはそのリストを一緒に叶えていくことに。代わり映えのしない日々が、2人で過ごす楽しい毎日に変化していく」

 ……というキュンキュンラブストーリー。リストをひとつひとつ実行して消していくさまを眺め、ふたりのほほえましいやり取りに心がポッと温まるのです。

主演・風間俊介さんがリストを作るシーンが良い

「タコパ」「恋人を作る」…39歳独身・元キー局アナがドラマの“40までにしたいことリスト”に本気で共感したワケ
アンヌ遙香
 まずは、風間さんがよい! 実は私アナウンサー時代に風間さんと一度お仕事をご一緒したことがあるのですが、その実直なお人柄とお仕事への真摯な姿勢に純粋に心打たれ、それ以来ひそかに心の中で応援させていただいているのです。

 その風間さんの良さがそのまま画面にあふれており(何様私)、控えめでありながらみんなに頼られている良い上司ぶりを発揮しているのです。
さらに言えば、ときに好きな人に対してとんでもなく自信がなくなったり、「自分のこと好きだ、みたいなこと言ってたけど、あれはなかったことになっちゃってるのかな……?」みたいな恋のドギマギをうまーく表現してくれている!

 性別に関係なく、日常の中の恋愛に対してどう「アラフォー」が向き合うかということを「あるある」と、みんながうなずきたくなるようなナチュラルさで演じてくれています。

 本ドラマのタイトルでもある『40までにしたい10のこと』。このリストを作るシーンがよかったんですよね、また。よく「一生のうちでしたい10のこと」とか、「一生のうちで行きたいところ10」とか、よく耳にしますし、話題にも上りやすいもの。

 風間さん演じる雀も当初は「死ぬまでにしたい10のこと」を考えはじめ、世界一周、オーロラを観に行く、なんて書き始めるのですが、「自分がやりたいことや行きたいところって本当にそれなんだろうか」「もっと身近だけど、アラフォーで一人だからこれまでなかなか勇気がだせなくてできなかったことをリスト化したい」と実感するのです。

リストの内容は「タコパ」「シーパラ」と絶妙なライン

 その内容が、「タコパ」(一人じゃなかなかできません)、「シーパラ」(デートの定番)、「オーダーメイドのヤバい枕を作る」(確かにやってみたい。ちなみに私の友人がウン万円の枕をオーダーメイドしたことがあるそうですが、睡眠の質が明らかに変わったそう。作りたい! けどウン万円かあ……さすが絶妙なリスト)、「服の趣味を変える」(これってこれまでの自分からまったく新しい自分に挑戦するっていうことですよね。たしかに、まったくこれまで着たことがなかったテイストと向き合うってなかなかチャレンジングかもですが、すごく楽しそう)

 などなど。本気をだせば実現できそうだけど、なかなか一人じゃやりにくいかも、という絶妙なラインなのです。

 その中で、「一緒に行ってくれる人を作る」と書きかけて……「恋人を作る」と、自分への宣言もかねてリストに思い切って書き込んだあのシーン、本当よかった。そして「キス」とも書いて、思わず一人で顔を掌にうずめる風間君(もはや雀ではなく風間君呼び)。いいよ、いいですよ。
ねっそうだよね。

 そして、突然現れた慶司がリストの最後に書き加えてくれたのが「誕生日を恋人とすごす」というもの。このドラマの最終回がおそらく雀の40歳の誕生日なんですかね。なんか波乱でも起こるのだろうか。リストは果たしてすべて埋まるのか。

最近私が実現できた「したかったこと」

「タコパ」「恋人を作る」…39歳独身・元キー局アナがドラマの“40までにしたいことリスト”に本気で共感したワケ
アンヌ遙香
 ちなみに私の40歳の誕生日は2025年9月26日。もうあと1か月ちょっとですが、今さらながらちょっとリストづくり真似してみたい、なんて思ったりもしていました。が、実は昨年からずーっと実行したいなと感じていたことが最近実現できたことでしみじみと喜んでいるのです。

 それが「夏に地元の(私は北海道在住です)ウニ丼を食べに行く」「スタバに愛犬とくりだす」というもの。一見そんなに難しくなさそうにみえますが、えいっと何かきっかけがつかめないとなかなか実行できないなと感じていたもの。

「やってみたいな、行ってみたいな」と心の奥底に眠っていたものが思わぬ形で叶うと、とんでもなくウキウキしますね。

 このウキウキを持続させたい。
みなさま、一緒に「次の誕生日までに実行したいことリスト」作りませんか?

 そしてドラマ、終らないでー。

<文/アンヌ遙香>

【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne
編集部おすすめ