今回は、ダイニングのこだわりポイントや、空間を広く見せるインテリアのコツなどをShihoさんに聞きました。
上下空間を活かしたインテリア



熱帯魚たちがいるのは、Shihoさんが45年前から使い続けている学習机の上。
「あちこち剥げてきてはいますが、まだまだ使えます。昔の家具は趣があって、作りもしっかりしているので長く愛用できるんですよね」と話します。
上の空間を使うと部屋が広く感じられる

「知り合いのおばあちゃんが試しに編んでいたものや、母が刺繍した布など、可愛いなと思ったものを引っかけています。インテリアは横の空間だけでなく、上下も使うと奥行きが出て、部屋が広く感じられるんです」

毎日のように模様替えを楽しむ

「窓際のビニールクロスが古くなっていたので、ヨーロッパの石畳用のタイルを敷きました。本当はもっと敷きたかったのですが、重さがあるのでここまでにしています(笑)」

「無機質な照明と有機的な自然物のバランスを取りたくて、枯れ枝をのせています。
Shihoさんは月に1~2回、模様替えを楽しんでいます。
「朝起きて、“こうしたい”と思い浮かんだアイデアが止まらなくなるんです。細かいものの配置は、ほぼ毎日変えていますね。動線が悪いなと感じると、つい動かしたくなります。若い頃に比べて筋力は落ちたので、重いものを持ち上げるのは大変になりました。そのため、毎日両足に500gずつの重りをつけて、朝1時間の家事をルーティンにして筋力づくりをしています」
人とゆるくつながることができる団地の魅力

「レコードプレイヤーはもう持っていませんが、ジャケットが素敵なので飾り続けています」
YouTubeの編集や仕事は、ダイニングの窓際にあるデスクで行っています。立ったまま作業できるスタンディングデスクは、キッチンと同じ赤い塗料で塗られており、目の前にはお気に入りの文庫本や雑誌が並びます。

「将来はヤギを飼いたい」

「実は将来、ヤギを飼いたいんです。子ヤギは約5万円、大人のヤギは約2万5000円で買えると最近知りました。近々、うちから少し離れた里山に移り住み、60歳までに数年かけて自分でリノベーションする計画を立てています。

「うちの団地は景色が素晴らしく、駅から近いのも便利ですね。築年数が古いぶん、自分で手を加えて改善できるのは新しい物件にはない良さだと思います。古いですが日当たりが良いので、冬もヒーター1台で十分暖かく過ごせます。
ただ、古いことで不便な面もあります。リノベーションにも限界があり、現代の住居にしては天井が低かったり、バスルームなど水回りの不備も目立ちます。管理組合に参加して住人の許可を取らなければならないことなど細かな規則もあります。
それでも、集合住宅ならではの緩やかな住人同士のつながりが良いですね。私も上の階に住む90歳のおばあちゃんやお向かいの家族と仲良くしています。人との関わりを楽しみながら暮らせるのが団地の良さだと感じています」
<取材・文/都田ミツコ 撮影/市村円香>
【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。