1995年リリース「夢見る少女じゃいられない」などのヒット曲があるロックシンガー・相川七瀬が2025年9月10日にInstagram上で、18歳の誕生日を迎えたという次男の写真を投稿していた。

 彼の名は益子凛生。
今年で38回目の開催となる「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」の出場者なのだ。「叩かれるビートはロック魂」というキャッチフレーズが目を引く。

 アーティストとしても俳優としても活躍していきたいと力強い。男性俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が解説する。

前回と今回の注目すべき傾向

“イケメン・サーチャー”を名乗っている以上、毎年開催される「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」の動向は必ずチェックする必要がある。同コンテストは近年、応募者総数が減少傾向にあるものの、前回開催と今回の第38回では注目ポイントがある。

 第37回のグランプリ受賞者である佐藤倖斗とともに話題を集めたのが、フォトジェニック賞を受賞した谷原七音だった。審査中から谷原章介の息子(実父はいしだ壱成)であることを各メディアが盛んに報じ、本人も公言していた。

 コンテスト側が掲載した谷原のプロフィールには好きな作品として、谷原章介といしだ壱成が兄弟役で共演したドラマ『未成年』(TBS系、1995年)を挙げていた。フォトジェニック賞受賞後には、本人のInstagramで「生まれをアイデンティティとして誇りに思う」と投稿している。

BEST30の一人が相川七瀬の次男

 今年の第38回もまた似たような傾向がある。BEST30までしぼられた候補者の一人、益子凛生が相川七瀬の次男なのだ。審査過程で出自を明かした谷原七音に対して、益子は特に公式的に明かしているわけではない。しかし、同コンテストの記者会見を報じた複数webメディアによりはっきり「相川七瀬の次男」として紹介されている。


 とはいえ、前回と今回の開催でこうしたアドバンテージが話題になる候補者が、出場傾向として読めることは確かだ。先日8月15日に行われた「第38回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストBEST30お披露目記者会見」では、前回開催で注目された谷原七音がスペシャルゲストで登場。益子も登壇した。

「様々な場面で活躍できるようなアーティストや俳優になりたい」と語った益子が、目指す道……。審査過程のプロフィール欄には「世界に通用するアーティスト、俳優になりたい」と書いてある。音楽、映画、テレビドラマ、いずれの表現分野でも活躍していきたいと表明する態度は候補者として力強いイメージだ。

キャッチフレーズ「叩かれるビートはロック魂」

 特技や趣味にも注目しておきたい。ドラム、ギター、ピアノ、ダンスなど音楽教養の他、茶道と書道。コンテスト出場者情報を発信するYouTubeチャンネル『JUNON TV』で公開されている、BEST30選出者が意気込みを述べる本人映像を見てみよう。

 26番の益子が、ドラムと茶道、書道は、幼稚園のときから打ち込んでいたとPRしている。多彩な趣味は「静と動。このギャップが僕の武器です」と自ら分析する表現力がある。
特技を兼備する相乗効果を心得たアピールポイント作りは、現役高校生としては余念がない。見せ方がうまいのだ。

 さらに目を見張るのは動画冒頭で繰り出すキャッチフレーズ。「叩かれるビートはロック魂」。さすがは相川七瀬の息子だと言う他ないだろう。

 自分の才能をこうしたコンパクトなフレーズで言い表せるのは大きな武器になる。才能を見せる力に長けた益子凛生は、今回のジュノン出場に限らず、世界観を明確に打ち出していけると思った。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修
俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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