「39歳・ノーファンデ肌」で知られる管理栄養士の木下あおいさんは、ファンデーションも化粧水も美容液も持っておらず、塗るのはオリジナルで作ったオイルだけ。そして、腸活を中心とした“内側からの美容”で、このお肌をキープしているそうです。
20歳の頃は、見た目に執着して、ダイエットを繰り返す暗黒期だった木下さん。ギャル風メイクだった20年前と、美腸にめざめた後とでは、まるで別人です。

1日1回のスープで、腸を整える
その木下あおいさんが提唱するのが、『美腸栄養スープ 一生もののレシピ60』(株式会社KADOKAWA、木下あおい監修、2025年刊)です。
さらに著書累計は7万部。そんな木下さん監修のスープレシピとなると、心惹かれますよね。
美腸スープは、発酵食品と伝統調味料で
普段何気なく口にしているスープ。お手軽に見えて、実はとても優秀なメニューなのです。「多くの種類の食材を一度に取ることができ、火をとおすことで野菜もたくさん食べられます」と本書。一皿で満足感を得られ、アレンジもきき、保存も可能。コツは美腸栄養学®のメソッドだけです。
まず「食べる美容液」と呼ばれる塩麴&しょうゆ麹。みそ、しょうゆ、みりん、酢などの、日本人にはおなじみの発酵調味料。オリーブオイルや亜麻仁油、米油など、オイルも厳選しましょう。
本書では、スープで使う「だし」の取り方も伝授。いちからだしを取るなんてめんどうくさそう、と恐れるなかれ。削り節や昆布など、材料は少なくて済みますし、冷蔵庫で2~3日保存も可能です。
塩麴もしょうゆ麹もハードルが高い、という方もいますよね。大丈夫です。このふたつを使用しないレシピもありますし、慣れてきてから試してみるというのもアリです。ただ、麹は腸内環境改善にひと役もふた役も買ってくれると思われます。
基本の調理法は、少しの水で蒸し煮
美腸栄養学®の基本の調理法はウォータースチーム。ウォータースチームとは、「少量の水を使用して弱火で蒸し煮にする調理法」のこと。「素材のうまみが引き出されておいしくなる」「タンパク質の変性を最小限に抑え、肉や魚などの食材がやわらかく仕上がる」「高温での調理や油を使用した時に比べて老化因子であるAGEsの発生を防ぐ」などのメリットがあります。やりかたはとても簡単。本書から手順を抜粋しますね。
1. 鍋かフライパンに大さじ2の水を入れる。





ダイエット中にも安心、無理なくたんぱく質が摂れる
暑い日が続いて、帰宅しても何もやる気が起きない。そんな日におススメなのが、この「さば缶のカンタン冷や汁」です。・さば缶のカンタン冷や汁

木綿豆腐 1/2丁(150g)
きゅうり 1/2本(約50g)
さば水煮缶 1/2缶(内容量200gのもの)
塩 ひとつまみ
しょうが(すりおろし)5g
白すりごま 大さじ3
水 200ml
みそ 大さじ2
大葉(せん切り) 5枚分
みょうが(せん切り)2個分
作り方
1. 豆腐はキッチンペーパーに包み、水気を取る。きゅうりは薄切りにして塩をまぶし、しんなりしたら水けをしぼる。
2. ボウルにさば缶を中の汁ごと入れ、軽くくずし、しょうが、すりごま、水を入れ、みそを溶き入れる。
3. 豆腐を手でくずし入れ、きゅうりを加え、全体をやさしく混ぜ合わせる。
4. 器に盛り、大葉とみょうがをのせる。
調理時間は数分。さばとお豆腐を混ぜながら、スプーンでするするといただけます。大葉とみょうがのアクセントが食欲を刺激して、気づけば完食。満足感も十分なので、ダイエット中のタンパク質補給にいかがでしょうか。
女性の悩みに特化したレシピ
本書のレシピはテーマ別に分かれています。テーマは、「ダイエット・美肌・冷え解消・便通改善・疲労回復」の5つ。すべて女性の悩みに特化しているのです。本書で考案されているのは、主食に成り代わるスープばかり。基本は食材を切って、ウォータースチームして、とろとろに煮込むだけ。困った時のスープ頼み。日々の食事を少し変えるだけで、すっぴんにも差がつくはず。
おいしくてきれいになれる、美腸栄養スープを、試してみたくなりました。
<文/森美樹 写真/『美腸栄養スープ 一生もののレシピ60』、木下あおいさんInstagramより>
【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx