そしてそのお悩みは、実はある身近な食材を味方にすることでケアできる可能性があるのです。その食材は、くるみ!
くるみは細胞の健康維持をサポートする可能性が注目されており、今回は最新の研究をもとにご紹介します。
くるみが変身? 腸内細菌が作る「ウロリチンA」とは
くるみに「ポリフェノール」がたっぷり含まれていることは有名かもしれません。美容や健康に良いナッツ界隈の中でも、1位を争えるくらい栄養価が高く、優秀な食材です!実は、くるみに含まれるポリフェノールの一種(エラジタンニン)が腸内に届くと、私たちの腸内にすんでいる「腸内細菌」たちの最高のエサになります。
そして、腸内細菌たちがそれをパクパクと食べて分解してくれることで、「ウロリチンA」という腸内代謝産物(ポストバイオティクス)が産生されます。 この「ウロリチンA」こそが、今回の主役であり、加齢に伴う細胞機能の変化への関与が注目されている成分です! なんだか響きもかわいらしい名前なので、ぜひ覚えておきましょう。
古くなった細胞をメンテナンスする効果
この腸内で作られた「ウロリチンA」の何がそんなにすごいのか? それは、「ミトファジー」を活性化する効果です。ミトファジーは、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、簡単にいえば「細胞内のお掃除システム」みたいなもの!
私たちの体の細胞一つひとつの中には、「ミトコンドリア」というエネルギーを作る工場が存在しています。私たちが毎日元気に動いたり、肌のターンオーバーを正常に行ったりできるのは、このミトコンドリアが稼働してくれているおかげ。
ですが、年齢とともにミトコンドリアが古くなったり、傷ついたりすると、エネルギーを上手く作れなくなります。それが「老化」や「慢性的な疲労感」の大きな原因になってしまうのです。
ミトファジーは、この古くなってしまったミトコンドリアを「適切に除去し、細胞内の環境を整える」という重要なシステムのこと。
つまり、くるみからウロリチンAが作られることで、結果として細胞の働きが良くなるのです!
【編集部注】
ウロリチンAを体内で作り出せるかどうかは、持っている腸内細菌の種類によって個人差があります。ですがくるみそのものにも良質な脂質(オメガ3脂肪酸)や食物繊維が含まれており、健康維持に役立つ食材であることに変わりはありません。
最新研究で注目! ウロリチンAと細胞へのアプローチ
ここで、ウロリチンAに関する最新の研究結果を見てみましょう。2025年に報告された臨床試験では、50人の健康な中高年(45~70歳、平均53歳)を対象に、ウロリチンAのサプリメント(1,000mg/日)を4週間継続して摂取してもらったところ、興味深い結果が報告されています(※)。
・免疫を担う細胞が、より若々しく疲れにくい状態になった
・免疫細胞(CD8+T細胞)の脂肪酸酸化能(エネルギーを作り出す能力)の向上が確認された
・加齢に伴う「免疫力の低下」を防ぐ可能性が示された
簡単にいえば、細胞レベルから健やかさを保つ後押しをしてくれるみたいな感じですね! くるみを食べることで腸内環境を整える効果も期待できます。
この「ウロリチンA」を効率よく作れるかどうかは個人差がありますが、細胞の健康維持と腸内環境を整える2つの効果が期待できる可能性があります! くるみはオメガ3脂肪酸や食物繊維も含む栄養価の高い食材であり、腸活の観点からも継続的な摂取が勧められます。
ここからは、そんなくるみを美味しく摂取できる、おすすめの腸活レシピをお伝えしますね。
<レシピ>腸活おつまみナッツ
・くるみ:50g
・カタクチイワシ:30g
・A|みりん:大さじ2
・A|醤油、砂糖:各小さじ2
・白ごま:小さじ2
<作り方>
① カタクチイワシはお皿になるべく重ならないように広げ、ラップはせずに電子レンジ(600W)で2分加熱します(※短時間で焦げやすいので、必ずレンジの近くで見守りながら様子を見て、パリッとしたら途中で加熱を止めてください)。くるみも同様にレンジ加熱し、手で食べやすい大きさにパキッと割っておきましょう。② フライパンにAの調味料をすべて入れて火にかけます。ふつふつとして軽くとろみが出てきたら、①のイワシとくるみを入れ、焦げないように手早く絡ませます。全体にツヤが出てよく絡んだら火を止め、最後に白ごまをふりかけます。
甘辛い味付けと、くるみの香ばしさ&カリカリ食感がクセになり、思わず手が止まらなくなる美味しさです。作り置きにもぴったりなので、週末に多めに作っておくのもおすすめです。
くるみの力で細胞からイキイキ! 腸活にもぴったりなおやつ
今回は、くるみに含まれる成分から腸内細菌によって作られる「ウロリチンA」の効果についてお伝えしました。もちろん食べ過ぎはよくないので、1日ひとつかみ程度を目安に取り入れてみてください。美味しく「くるみ」を取り入れて、楽しい腸活ライフを送りましょう!
出典 (※)Dominic Denk, Anurag Singh, Herbert G.Kasler, et al.「Effect of the mitophagy inducer urolithin A on age-related immune decline: a randomized, placebo-controlled trial」 Nature Aging, Vol.5: 2309-2322 (2025). DOI: 10.1038/s43587-025-00996-x
【免責事項】
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、医療上のアドバイスや診断・治療を目的としたものではありません。個人の健康状態や疾患については、必ず医師や医療専門家にご相談ください。
【監修者コメント】
くるみは良質な脂質・食物繊維を含む優れた食材です。ウロリチンAへの変換効率は腸内細菌叢の個人差により大きく異なり、本記事で紹介した研究はサプリメントを用いた試験です。くるみをはじめとする食事全体のバランスを整えることが基本です。
【監修:柏木宏幸 医師】
池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院 院長。消化器病・内視鏡専門医。「便通マネージメントドクター」の資格を持ち、大腸や便通改善を専門とし、特に女性の腸の悩みに向き合う。YouTubeでの分かりやすい医療発信や、Webメディアの記事監修実績も多数。
<文・料理写真/腸活の研究家ざっきー>
【腸活の研究家ざっきー】
腸活の研究家。「健康と体作りを後回しにしない」をモットーに、フォロワー11万人のInstagramでは、論文を元にした腸活情報や腸が整うレシピを発信中。Instagram:@zakii312、Twitter:@chokatu_zakii
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