(台北 5日 中央社)台湾動物社会研究会などは先週、多くの伝統行事で動物虐待に相当する行為が横行しているとして、政府に動物保護法違反での取締りを求めた。

台湾では、動物をいけにえとして神にささげたり、動物を捕まえる速さを競うなどの行事が行われている地方がある。
いずれも、農耕社会の伝統や狩猟の習慣のあった原住民族の文化に由来するものだが、中には大勢で生きたニワトリを奪い合い八つ裂きにしたり、逃げ回るブタを棍棒で殴って捕まえるなど、現代人が目を覆いたくなるようなシーンもある。

研究会による2009年からの調査では、台湾全体でこの5年近くの間に少なくとも36回の動物を利用した祭りが開かれており、最も多いのは東部の花蓮県、以下、台東県、南投県、高雄市の順だったという。いずれも原住民族が多く住む地域だ。

研究会では、「ブタ捕り」で妊娠中の母豚を殴り倒すような行為は自然を尊重する狩猟の精神にもそぐわないと主張、伝統文化を大切にしつつ、現代にふさわしい方法に切り替えることは可能なはずだとして、行政院の農業委員会および原住民族委員会がより厳しく取り締まりや指導を行うよう求めた。

【写真】客家系の義民廟(新竹県)の祭りで供えられた名物の巨大ブタ「神豚」。大きければ大きいほどよいとされ、無理やり太らせた豚の重量コンテストも有名。
動物愛護団体はこの「神豚」も問題視している。

(編集:高野華恵)