(台北 24日 中央社)北部・桃園市で開催中の「2017桃園映画祭」は21日、中華民国の国籍または居留証(ARC)を持つ監督のドキュメンタリー映画を対象にした「台湾奨」の受賞作品を発表した。グランプリに輝いたのは、絶滅危惧種に指定されているタイワンツキノワグマの生態に迫った「黒熊森林」。
精巧で貴重な画面を通じ、環境保護の課題を明るみに出したことなどが評価された。

同作のメガホンを取ったのはリー・シャンシウ(李香秀)監督。2004年の第41回ゴールデン・ホース・アワード(金馬奨)では「南方澳海洋紀事」で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞している。

「黒熊森林」の撮影チームは2011年、タイワンツキノワグマ研究者の黄美秀氏やそのチームに随行し、タイワンツキノワグマが出没するとされる山奥に足を踏み入れた。同作ではタイワンツキノワグマの神秘のベールを剥がすと同時に、タイワンツキノワグマの悲しい実態を伝えている。

台湾奨は今年新設。
最終審査では、日本の森達也監督を始め、中国大陸、インド、台湾の映画監督などが審査員を務めた。

審査員団大賞には、ミディ・ジー(趙徳胤)監督の「翡翠之城」、審査員団特別賞にはリャオ・カーファ(廖克発)監督の「不即不離」が選ばれた。

桃園映画祭は25日まで。

(鄭景ブン/編集:名切千絵)