(台南中央社)台湾人女性が18日までに、生前から台湾に関心を寄せていた日本人の夫の遺志を継ぎ、貧困家庭の子供を支援する団体「南台南家扶センター」(台南市)に奨学金として10万台湾元(約36万円)を寄付した。同センターの担当者は、海を渡って託されたこの寄付金は長年にわたり支援活動を続けてきたセンターにとって自信になったと話し、全ての支援者に感謝を示した。


この男性は何年も前に同センターの後援団体、扶幼委員会で常務委員を務める紀慶玟さんと知り合い、母体の台湾児童・家庭扶助基金会が70年近くにわたって台湾で貧困家庭を支援してきたことを知った。生前、台湾と同基金会が支援する子供たちをこれからも気にかけていくよう妻に願いを託していたという。寄付金は、紀さんを通じてセンターに届けられた。

男性は生前、歯科クリニックを営む傍ら、音楽にも親しみ、マンドリンやロシアの民族楽器ドムラの演奏を得意としていた。イタリアの名職人が手作りしたマンドリンを長年にわたって購入しており、かつて台南の奇美博物館に30本余りを寄贈したこともある。

2011年の東日本大震災後に台湾の政府や民間から多額の義援金が日本に寄せられたことに対し、深い謝意と感動の思いを胸に抱いていたという。


(楊思瑞、張栄祥/編集:名切千絵)