(台北中央社)台北市の人口が先月末現在で260万人を割り込んだことが同市民政局の統計で分かった。市は、交通網の整備に伴い、近隣市からのアクセスが向上したことが人口流出の最大の原因だとしている。


先月末現在の台北市の人口は259万7635人。2020年末現在の市の人口は260万2418人で、1998年以降で最低を記録した。

同局人口政策科の呉重信科長は、台北市に戸籍を置く人口は減少したものの、台北メトロ(MRT)の利用者数や通勤時間帯の交通量から見ると、市内で仕事や生活をする人口は減っていないと指摘。鉄道網の整備によって台北市を中心とした生活圏が形成されたことで、台北よりも生活コストが比較的低い周辺の新北、基隆、桃園に住みながらも活動の拠点を台北とする生活を多くの人が選ぶようになったと説明した。

呉科長はまた、新型コロナウイルスの影響で海外から帰国する市民が減り、転入が減少したことも人口減の一因になったと分析した。

呉科長は「国の首都として、台北市は医療や交通面において、整備のためのコストをより多く負わなければならない」と生活コストの高さの背景を指摘した。


(陳昱婷/編集:荘麗玲)