(台北中央社)台湾とインドが2月16日に締結した出稼ぎ労働者受け入れに関する協力覚書を巡り、許銘春(きょめいしゅん)労動部長(労働相)が同29日、インターネットメディアのインタビューでインド北東部の人々について「肌の色が近い」などと発言した。一部から差別的な言論ではないかと指摘が上がったのを受け、許氏は5日、立法院院会(国会本会議)で、誤解を招いたとして謝罪し、差別の意図は全くないと弁明した。


台湾は現在、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナムの4カ国から出稼ぎ労働者を受け入れている。政府はリスク分散などを狙って対象国にインドを追加することを目指しており、同覚書に基づいて今後関連の準備が行われる。

許氏はいかなるエスニックグループに対しても差別する意図はないとした上で、インタビュー全体を通して見れば、自身がインドの労働者の素質や仕事上の能力を評価していることが見て取れるだろうと強調。発言が正確性を欠いていたため誤解を招いたと説明した。

労動部(労働省)もこの日、許氏の発言が誤解を招いたとして謝罪する声明を発表。台湾の出稼ぎ労働者政策は常に人権を尊重しており、平等な待遇の原則を堅持しているとした。
また、SNSなどの扇動的な言論の影響を受けないよう人々に呼びかけた。

(呉欣紜/編集:田中宏樹)