(澎湖中央社)離島・澎湖県で29日から、美術家、奈良美智さんの個展が始まる。会場になったのは90年の歴史がある澎湖開拓館で、28日に行われた記者会見に出席した奈良さんは自身で会場を選んだとし、歴史的な建物と作品のコラボレーションに期待を寄せた。


非政府組織(NGO)、中華文化総会などが主催する台湾での巡回展の一環で、昨年4~8月の南部・高雄市に続く2カ所目として行われる。巡回展は10年間かけて行う計画。同県政府文化局によると、同館は日本統治時代の1933(昭和8)年に澎湖庁長官邸として建設。戦後も県長官邸として利用され、2002年に文化施設となった。

奈良さんは、道路や鉄道で行けない場所で開催するのが巡回展の最終目標だったと言及。「こんなに早くできていいのか」と目標の達成を喜んだ。


今回は台湾のために制作したという作品「Hazy Humid Day」の他、新型コロナウイルス流行下に来台した際に隔離のために宿泊したホテルで描いた27枚の絵が新たに展示される。

9月1日まで。毎週月・火曜日と祝日・休日は休館。観覧には公式ウェブサイトから予約が必要。

(王宝児/編集:田中宏樹)