(台北中央社)世界保健機関(WHO)の第77回総会は来月27日にスイス・ジュネーブで開幕する。薛瑞元(せつずいげん)衛生福利部長(保健相)は29日、今年は総会参加を目指すだけでなく、総会で各国が検討する予定の国際協定「パンデミック協定」へのオブザーバー参加を勝ち取りたい考えを示した。


台湾は2009年から16年までオブザーバーとしてWHO総会に参加していたが、17年以降は中国の圧力で招かれていない。そのため、政府は総会参加を目指し、各国への働きかけを進めている。

薛氏はこの日の立法院(国会)社会福利・衛生環境委員会の答弁で、現時点では総会参加の招待状は届いていないと説明。総会参加に向けた政府のPR活動やその形式については例年と大差はないとしつつ、今年の総会ではパンデミック協定に関する議論が予定されていることから、同協定参加に向けた取り組みも行う方針を明らかにした。薛氏によれば、同協定はWHO非加盟国もオブザーバーとして受け入れ可能だという。

パンデミック協定は感染症の世界的大流行の予防や備え、対応に関する新たな法的文書。
WHOは5月の総会での採択を目指している。薛氏は、同協定は世界の感染症対策と関係があるとし、台湾はこの方面での力添えが可能だと訴えた。

(林敬殷/編集:名切千絵)