(台北中央社)中国のテレビ局が18日、「一つの中国原則」をアピールするドキュメンタリー番組を放送した。中国側の立場に近い人のインタビューが紹介されたが、専門家は、認知戦の効果は限定的だとの見方を示している。


番組は21分間で、国際ニュースチャンネル「中国グローバルテレビジョンネットワーク」(CGTN)が放送。「台湾は終始中国の不可分の一部だ」などとした上で、米国は(中国の)内政に干渉していると指摘。米国による台湾への武器売却は「代理戦争」を引き起こすためだなどとした。

また台湾からは親中派の政党、新党の元広報担当、王炳忠氏らが出演。「両岸(台湾と中国)は平和的な発展が可能」「台湾人は中国の台頭に追従すべきだ」などの考えを示した。

台北海洋科技大学の呉瑟致助理教授(助教)は20日、中央社の取材に対し、番組は中国共産党による典型的な対外宣伝の手法だと指摘。
外国人の言葉を通じて中国側の主張に説得力を持たせると語った。

その一方で、現在のメディアは多様化してインターネットも自由に見られるとし、視聴者は一つの情報源だけを頼らないと分析。効果は限定的だと述べた。

呉助理教授は、台湾政府は正しい情報をリアルタイムに伝える努力を強化し、台湾の人々に中国によってもたらされるリスクを理解させ、多様な声を含む台湾民主社会の価値に背かないようにすべきだと主張した。

(李雅雯、曹宇帆/編集:齊藤啓介)