台湾は2011年の東京電力福島第1原発事故を受け、5県産食品の輸入を禁止していたが、22年に大幅に規制を緩和。24年9月には禁輸が継続されていたキノコ類なども解禁され、日本で流通する全ての食品の輸入が可能になったが、5県産の食品については引き続き放射性物質検査の報告書と産地証明書の提出、水際での全ロット検査を行っていた。
石崇良(せきすうりょう)衛生福利部長(保健相)は、世界では53カ国・地域が日本の食品に対する規制措置を採っていたものの、昨年までに台湾や中国(香港とマカオを含む)、韓国、ロシア以外の49カ国・地域は完全に制限を解除したと説明。各国と足並みがそろうこととなる。
同部食品薬物管理署(食薬署)の統計によれば、5県から台湾に輸入され水際検査を受けた食品は14年間で延べ26万3000件余りに達したが、不合格率は0だった。
同署の姜至剛署長は、台湾から日本を訪れた旅客は昨年1年間で600万人以上で、台湾人の旅行先として最も人気であり、台湾の人々は日本の食品に慣れ親しんでいると言及。条文の草案について、各国の規制の状況を参考にしたと述べた。
同部は草案に関するパブリックコメント(意見公募)を受け付けている。期間は公告から60日間。
(陳婕翎/編集:田中宏樹)