(花蓮中央社)東部・花蓮県でせき止め湖から水があふれた影響で、下流にある光復郷の市街地に大量の泥水が流れ込んだ。道路や建物の中に泥が残って生活再建の妨げとなっており、教師の日(教師節)に伴う3連休だった27~29日には各地からボランティアが集まって住宅内の泥のかき出しなどを行った。


被災地の最寄り駅の光復駅は、降車客が昨年の1日平均で500人に満たない規模の駅。台湾鉄路(台鉄)によれば、29日までの3日間は、延べ6万人を超える乗客が光復駅で降車した。台鉄以外の交通手段で訪れた人もいるため、実際のボランティアの人数はさらに多かったと推測される。

光復駅周辺に住む許さんは中央社の取材に対し、被害が大きかった地区ではないものの、多くのボランティアが手伝ってくれたと説明。感謝を示すために、家の前で飲み物を配ったり、帰路に就く人の長靴を洗ってあげたりしたと語った。

テレビで被害の甚大さを目にして妻と共に休暇を利用して1泊2日の日程でやって来た、台北在住の香港人の男性も取材に応じ、現地の様子は想像以上に深刻だと感じたと述べた。特別な申し込みはせず、清掃活動をしている人の所に直接加わったと話した。

台北からの列車の車内では、長靴を履いた人を多く見かけたという。見知らぬ人のために一緒になって作業を行う人々の様子を見て、台湾人の助け合いの精神が深く印象に残ったと振り返った。

駅前には、次の人々が使えるよう、ボランティアを終えて帰った人たちが残した長靴やシャベルなどがきれいに並べられていた。

花蓮県政府によれば、被害があった住宅は約1500戸。30日正午時点では、このうち約400戸で泥の除去や清掃が済んでいない。


(張祈/編集:田中宏樹)
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