後世の歴史研究者が、混乱しそう――。

そんな写真がツイッターで注目を集めている。

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着物の女性が映ったモノクロ写真である。江戸時代のような装いなのに、こんなに鮮明に残っているとは......?

しかも、よく見ると女性の右手にはスマートフォンが握られており、もう左手ではタブレット端末を操作している。いったいいつ写されたものなのかと動揺してしまう一枚だ。

これはツイッターユーザーのゆかり(@yukaricacid)さんが

「後世の研究者が混乱するやつ」

とつぶやきつつ、2021年12月2日に投稿した「コスプレ写真」。紛れもなく、現代に撮影されたものだ。

「今見ても混乱する」

この写真に対し、ツイッターでは8日夕時点で14万4000件を超えるいいねが寄せられ、

「今見ても混乱するんですがw」
「これすごい、脳がバグりそう」
「3000年後ぐらいの未来のミステリー番組に取り上げられそう」
「ちゃんと『わゐふぁゐ』あるかな?」

などと大きな話題になっている。

8日、Jタウンネット記者が投稿者のゆかりさんに話を聞いたところ、写真の装いは江戸時代後期の20代前半の公家女性の装いを再現したもの。

既婚設定のため、

「帯を前で結び、お歯黒、引眉(眉毛を抜くこと)をしています。
また、公家特有の殿上眉という特殊な眉を描いています」

と説明する。

未来の歴史家が困惑しちゃう... スマホ&タブレットを巧みに操る「江戸時代の公家女性」が激写される
「化粧は江戸時代のメイク本『都風俗化粧伝』を参考にして、当時のお化粧に近い形で仕上げました。搔取(羽織っている着物)は実際に江戸時代に使われたものを使用しています。桜花と宇治橋と柴舟が刺繍で表されており、新古今和歌集に収載されている和歌をモチーフにしています」

とあらゆるところにこだわりが散りばめられているようだ。

レアな髪型のため撮影

未来の歴史家が困惑しちゃう... スマホ&タブレットを巧みに操る「江戸時代の公家女性」が激写される

髪の毛は、日本髪等を結う専門の職人である結髪師・shoukoさんに依頼したとのこと。

「今回の扮装は、各方面からの惜しみない協力によって実現したものです。
現代とは異なる美意識を感じて頂けたらと思います」(ゆかりさん)

そんな装いでスマホとタブレットを駆使するユニークな写真を撮影するに至ったのは、なぜだろう。ゆかりさんに尋ねると、これは偶然の産物だったようだ。

今回の髪型はシルエットが葵の葉のように見えるため「葵髱(あおいづと) 下げ上げ」と呼ばれているもので、現在では限られた機会でしか見ることのできない非常にレアな髪型。資料の数も、あまり多くはないのだとか。

「そのため『資料がないなら作ればいいじゃない』という流れで数人の同好者協力のもと撮影をしました。
その撮影中、職場から電話がかかってきてしまいこの格好で電話対応をしていたら皆さん大爆笑で、『この衣装のまま電話してるの面白くない!?』と急遽この構図での撮影が決まりました」(ゆかりさん)

「江戸も令和も大して差がないように見えるかも」

写真が注目を集めたことについて、「ちょっとしたお遊びだったのですが、こんなにも反響があるとは思っておらず驚いています」とゆかりさん。

未来の歴史家が困惑しちゃう... スマホ&タブレットを巧みに操る「江戸時代の公家女性」が激写される

あらためて感想を尋ねると、

「『享保年間モデルだ!懐かしい』『いやいやその頃はPHSだった』など、どんどん歴史をねじ曲げるようなコメントが出てきて面白かったです。
設定は200~300年ほど前の扮装ですが、今からずっと未来の人からすると江戸時代も令和も大して差がないように見えるかもしれませんね。後世の研究者が混乱しないことを願うばかりです」

とコメントした。