
手のひらサイズでずっしり重い超大物に、ダイヤ慣れした大統領も驚くほかなかったようだ。ダイヤモンドの産出国ボツワナで、今月21日、史上2番目となる2492カラットもの巨大ダイヤモンドが発見された。
実に1世紀以上ぶりに見つかった高品質で最大級のダイヤモンド。その名は現在無名だが、この巨大ダイヤモンドの発見は、ボツワナの経済に大きく寄与すると期待されている。
史上2番目に巨大なダイヤモンドが発見される
南アフリカのボツワナのカロウェ鉱山で、今年8月22日に史上2番目とされる巨大ダイヤモンドの原石が見つかった。発掘したのはカナダのルカラ・ダイヤモンド社だ。
なんかもうダイヤモンドにあるまじきサイズというか、現実離れした大きさ。同社によると、発見には2017年に導入したX線技術が役立ったという。
その技術は、大きくて高価なダイヤモンドを見つけることに特化しており、効果はばつぐんらしい。
2492カラットの手のひらサイズで重さ500g
このダイヤモンドは2492カラット。見ての通りの貫禄の手のひらサイズで、重さ約500gもあるそう。
大きさとしては、1905年に南アフリカで発見されたダイヤモンド「カリナン 」に次ぐ世界2番目サイズとなるが、2000カラット超もの原石が1世紀以上ぶりに見つかった点でも注目が集まっている。
ボツワナのモクウィツィ・マシシ大統領もこのサイズには愕然!
ダイヤモンドは見慣れてるだろうに、ズッシリ重い巨大な原石に目を見張るしかなかったもよう。
世界2位の大きさも同鉱山でルカラ社が発見
ちなみに世界最大とされるカリナンダイヤモンドは3106カラットもあり、重さ621gあった。現在その一部が、イギリス王室の王冠を飾る宝石に使われてるそう。
一方ルカラ社が所有するカロウェ鉱山では、世界最大とはいかないものの、ここ10年ほど徐々に大きなダイヤの原石が見つかっている。
直近で史上2番目に大きかったダイヤモンドは、2019年に同鉱山でカルラ社が採掘したスウェロという1758カラットの原石で、見ためは黒っぽかったがルイ・ヴィトンが価格非公開で購入した。
さらにその前の2015年、やはりルカラ社がカロウェ鉱山で発見した「レセディ・ラ ・ロナ」は、1109カラット、重さ約222g あり、後に宝石商が買い上げたそうだ。
つまり同社は、この鉱山で次第に大きな原石を見つけているのだ。ということはX線技術を導入した同社は今後、さらに大きなダイヤを見つけるかもしれない。
ボツワナの経済を握るダイヤモンド
実に120年ぶりとなる今回の発見は、ボツワナの経済に大きく寄与するといわれている。
世界最大級のダイヤモンド鉱山があるボツワナは、世界トップのダイヤモンド産出国で、輸出の80%以上(2022年時点)をダイヤモンドが占めている。
そのためこうしたダイヤモンドの発見が、この国の経済成長や雇用創出につながり、その収益がインフラ整備など、生活や社会基盤の向上の糧となる。
さらに同国は、イギリス拠点のダイヤモンド会社デビアスを始めとする業界のシェア拡大を図っている。これまで世界最大のダイヤモンド生産国はロシアだったが、近ごろはボツワナのほうがより価値がある大型ダイヤモンドを採掘しているからだ。
発見されたダイヤの価値は数十億円相当かそれ以上
今回より大きなダイヤを誇らしげに発表したルカラ・ダイヤモンド社はメディアにこう述べている。
私たちはこの驚異的なダイヤモンドの発見に歓喜しています。これはボツワナの土地に眠る比類ない富はもちろん、国民の利益のために発展したダイヤモンド産業の目覚ましい進歩の現われでもあるからです。(ウィリアム・ラム社長)
なお宝石界の話題をさらったこのダイヤモンドの価値はまだ決まってない。
ただ前述のレセディ・ラ ・ロナの場合、イギリスの宝石商が約59億円で購入したことから、このダイヤは数十億円相当かそれ以上の価値があるともいわれている。
今後鑑定が控えているが、いずれ世界に向けて展示の予定だそう。にしてもこれだけ大きいと俄然この目で見たくなる。
「高品質な原石」だとするルカラ社は、今のところ加工についてノーコメントだ。でももし加工されるならその前に一度実物を眺めてみたいな。