
体型や動きがクマに似ていて、顔は猫に似ていることから、海外では「ベアキャット」日本では「クマネコ」と呼ばれるビントロングだが、実際にはクマともネコとも近縁ではない。
だが少なくとも、ふみふみする技術だけは猫と一緒で上手だった。
アメリカの動物園にいるウィルバーというクマネコの愛くるしいふみふみシーンを見てみよう!
猫じゃないけど猫みたいにふみふみするクマネコ
東南アジアの熱帯雨林に生息しているビントロングは、そのクマのような毛並みや体型、動きと、猫のような顔をしていることからベアキャット(bear cat)、日本語ではクマネコと呼ばれているが、クマともネコとも違う生き物だ。
ジャコウネコ科ビントロング属に分類されており、ジャコウネコ科もネコと名がつくものの、分類学的にはネコ科(Felidae)とは異なる。
だが、アメリカ、テキサス州にあるナッシュビル動物園にいるクマネコのウィルバーは、どういうわけか猫のように前脚でふみふみするのが上手なんだそうだ。
もっふもふのウィルバーが、赤色のクッションをふみふみしている様子はとてもかわいいし癒される。たまにちらりと見える鋭い爪もご愛敬だ。
ちなみに猫が前脚をふみふみする動作は海外では「ビスケットづくり(make biscuits)」と呼ばれている。ビスケットの生地をこねる動作に似ているからだそうだ。
猫は子猫時代、ミルクがよく出るように母親のお腹をもむ行動を本能的に行っている。
この「ふみふみ」行動は母親のぬくもりを感じられことから、癒しや安心感と結びついている。そのため、大人になっても、心地よい記憶と関連付けられた「ふみふみ」は、猫がリラックスしたいときや、飼い主に甘えたいときに発動される。
ネコじゃないんだけどネコみたいな行動をするクマネコ
ウィルバーのふみふみも、猫と同じ理由で行っているのかな?
ビントロング(クマネコ)は猫のように喉をゴロゴロ鳴らすこともあるそうだ。
スミソニアン国立動物園[https://nationalzoo.si.edu/animals/binturong#:~:text=Binturongs%20use%20their%20distinctive%20scent,they%20are%20pleased%20or%20content.]によると、他にも、満足や喜びを示すときには、笑い声のような音やゴロゴロ音を発し、不満や恐怖を感じたときには、叫び声、唸り声、低い唸り声など猫に似た声で表現するという。
ビントロング(クマネコ)という生き物
ビントロング(クマネコ)はなんと、バターを塗ったポップコーンのような、おいしそうなにおいがするという。
この独特なにおいは、ビントロングの尾の下にある臭腺(においを出す腺)から分泌される化学物質によるものだ。
その体は黒くモフモフの毛でおおわれていて、丸い耳からは長い房毛が飛び出し、顔の毛はやや明るい色をしている。
全長は60~90cmだが、尻尾はそれ以上に長い。体重は11~23kgとがっしりとした体つきをしている。ヒゲは硬く、最大で20cmにも達する
体は低くて長く、粗い黒い毛で覆われており、先端は灰色がかっているため斑点模様に見えることもある。
ビントロングは現在、生息地の破壊、狩猟などにより、絶滅危惧種に指定されている。