おじいさんが亡き双子の夢を叶える。「さかな帽子」が予期せぬ出会いでヒット商品に!

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 魚の帽子と聞けば、ほとんどのみんながあの強烈な「さかなクン」さんの頭部を思い浮かべると思う。だがアメリカでは現在、双子の兄弟が開発した「魚帽子」が大ヒット中だ。

 販売当初はさほど有名じゃなかった帽子がヒットしたのは、ごく最近のことだ。

 高齢な双子のうちの1人は亡くなってしまい、現在79歳になったもう1人のおじいさんがこの帽子を被って出かけていたところ、ある男性に話しかけられた。

 その男性はなんとTikTokのインフルエンサーだった。その出会いがきっかけに、おじいさんの手作りさかな帽子は飛ぶように売れるようになったそうだ。

 亡き兄弟も天国できっと喜んでいることだろう。

ショッピングモールで運命の出会い

 2024年12月、TikTokerの@leo.the.introvert[https://www.tiktok.com/@leo.the.introvert]ことレオさんは、ショッピングモールで1人のおじいちゃんに出会った。

 おじいちゃんはとてもユニークな、魚の帽子を被っていたので、レオさんは声をかけてみることにした。

クールな帽子だね、どこで買ったの?

 するとおじいちゃんは「10秒だけ話を聞いて!」と前置きして、レオさんに帽子について語り始めた。

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さかな帽子に込められた思いに感動、TikTokで紹介することに

 おじいちゃんの名前はロバート・“ボブ”・カパスさん(79)。彼は双子の兄弟のビルさんと一緒に、この魚の帽子を作り始めたんだそうだ。

 もともとのきっかけは、今から40年以上前、ビルさんが当時4歳だった娘さんから、父の日のプレゼントに魚モチーフの帽子をもらったことだった。

 それ以来毎日その帽子を被っていたビルさんは、いつしか周囲から「フィッシュハット・ビル(さかな帽子のビル)」と呼ばれるようになっていた。もはやさかな帽子はビルさんのトレードマークとなっていた。さかなクンさんのように。

 そしてビルさんとボブさんは10年の月日を費やし、オリジナルの「さかな帽子」を開発した。

 2023年11月に、「FISHHAT LLC」という会社を立ち上げてネット販売に乗り出した。

 と言っても、2人は大々的に売り出すことは考えていなかったようだ。ビルさんの思い出を商品化することを、定年後の楽しみにしたかったのかもしれない。

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ビルと私はお店やレストラン、診療所など、どこに行くにもこのさかな帽子を被って行きました。誰かが帽子について聞いてきたら、「10秒お時間をください」といって、帽子や会社について説明し、私たちの写真を見せるんです。

また、「子供たちに釣りのテクニックを教えることを楽しもう!」という、我が社のモットーを伝えるのも忘れません

 だが2024年1月、ビルさんは突然亡くなった。フロリダでの5日間の釣り旅行から帰って来て、わずか2日後のことだった。

 ボブさんは、「フィッシュハット・ビル」として生きたビルさんの夢と遺志を引き継いで自らを「フィッシュハット・ボブ」と名乗り、帽子の販売を続ける決意をした。

 そんな話を聞いたレオさんは、ボブさんにこのストーリーをTikTokで紹介してもいいかと尋ねた。

 ボブさんは快諾してくれたが、まさかこの出会いが彼の人生を変えることになるとは、この時の2人は予想もしていなかったのだ。

 下がその時の動画である。

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再生回数が爆上がり!動画が話題となり注文が殺到

 12月2日、レオさんが自身のTikTokでボブさんを紹介すると、なんと動画は翌朝までに約50万以上、さらにその日のうちに200万に達する再生数を叩き出した。

 驚いたレオさんがボブさんに電話すると、さらに驚きの状況が。

  • ボブさん:
    動画を投稿したって? 僕はローテクで君はハイテクだからよくわからないんだけど、Facebookに載せたの?
  • レオさん:
    いやいや、TikTokだよ、TikTok知ってる?
  • ボブさん:
    TikTokは知らないけど、君は昨日僕に話しかけてきた人だろ? 今朝僕のコンピューターで何が起こったか聞いてくれよ! 実は注文が殺到しているんだ。今もう60件以上の注文が入ったんだよ! 2分ごとに新しい注文が来てるんだ!
  • レオさん:
    それはすごい!
  • ボブさん:
    君のおかげだよ! 僕はTikTokをやってないけど、アカウントを取るべきかな……

 この翌日には、なんと2,800万もの再生回数を記録した。

 そしてレオさんの協力で、ボブさんもTikTokを始めることに。これがその第一弾の投稿だ。

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応援やアドバイスのメッセージが殺到する

 2人の動画を見た視聴者からは、ボブさんを応援するメッセージや、レオさんに感謝するコメントがたくさん寄せられている。

  • ボブさんは私たちのおじいちゃんだよ!
  • 売り切れだって(現在はオーダーを受付中)!なんて素敵なクリスマスなんだ
  • 夢を叶えるのに年齢なんて関係ないってことがよくわかる
  • インターネットを見ると、この世界にはまだまだ良いところがあるんだなって思えるよ
  • SNSの良いところってこういうところだよね
  • こうやって人生が一瞬で変わることもあるんだね
  • なんて素晴らしい出会いなんだろう
  • レオさんにとっては何の代償ももたらさないもしれないけど、ボブさんにとっては全てを変えることだった。紹介してくれてありがとう!
  • 釣り好きの世のお父さんたちがみんな、この帽子をクリスマスにもらうことを想像してみて!
  • (インターネットじゃなくて)自分のコンピューターに何かが起こってる、とかFacebookとか、うちの父も同じようなことを言ってたなあ
  • 買えたよ!シェアしてくれてありがとう
  • 私もお父さんへのプレゼントにします!
  • これからも健康に気をつけて頑張ってほしい

 その後も注文は殺到し続け、とうとう商品は売り切れる事態に。

 嬉しい悲鳴を通り越して、「コンピューターが爆発しそうだ!」とリアルな悲鳴を上げるボブさんに、視聴者たちは受注製作の形式にするようアドバイス。

 さらにコメント欄では、梱包に便利なガジェットや、縫製や発送を手伝ってくれる人手を集める方法など、有益なアドバイスが寄せられていた。

 現在、ボブさんのショップ[https://www.bestfishhat.com/]ではこの帽子の注文受付を再開している。カラーは白とブルー、そしてピンクの3色展開で、日本へも送ってくれるようだ。

興味のある人は見に行ってみよう。

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 ちなみに、我らがさかなクンの帽子(キッズ用)も公式ストア[https://hi.mu-mo.com/pages/sakanakun]で販売中だ。お魚好きのみんなならコレクションしてみてはどうだろう。

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