
山口県のしものせき水族館の人気者のマンボウが、海を越え世界中で話題になっている。実は私、このニュースを知らなくて海外メディアを通じて初めて知ったのだが、マンボウってさびしんぼうだったんだね。
下関水族館は2024年12月から改修工事のために休館になったのだけど、その直後からマンボウが体調を崩し始めたという。
スタッフの1人が「もしかしたら来館者が居なくなって寂しいのでは?」と意見を出した。水族館側は「まさかそんなわけ…」と思いながらも、試しにハンガーに服をかけ、紙で作った顔を張り付け水槽の前に設置したところ、なんとその翌日から元気を取り戻したという。
しものせき水族館の人気者のマンボウ
しものせき水族館[https://x.com/shimonoseki_aq]「海響館」では、1匹のマンボウが飼育されている。このマンボウはとても好奇心旺盛で、ひとなつっこく、水槽前に人がいると寄ってくることも多かったため、来館者からの人気も高かった。
またネット上でも2024年5月、海響館のマンボウがクラゲをちゅるんと飲み込む姿が投稿されると、328万回も再生される大ヒット動画となった。
改修工事で元気がなくなったマンボウ
ところが昨年12月より、館内の改修工事が始まり休館となり、誰も人が来ない状態となった。するとすぐにマンボウは体長を崩し始め、なかなか調子が戻らないという事態に。
いったいなぜ元気を失ってしまったのか?関係者の間で話し合いが行われた。するとスタッフの1人が「来館者が居なくなって寂しいのでは?」と意見を出した。
「まさかそんなはずは99%ない」と水族館側は思った。
だが、一縷の望みをかけ、試しに、紙で顔を作ってハンガーにはりつけ、スタッフの制服をつるしたラックを水槽の前に置いたり、この偽人間を水槽のガラスに張り付けたり、タオルを張り付けてみた。
偽人間効果でマンボウの元気が回復!
なんということでしょう!偽人間の効果は絶大だった。なんと翌日にはマンボウの体調が改善したという。
やはりこのマンボウ、さびしかったようだ。スタッフは効果が立証されると、極力マンボウの水槽に行くようにして、手を振ったりしながらコミュニケーションをとるようにしたところ、ぐんぐん元気になり、元の体調を取り戻したという。
ちなみに魚がさびしくて体調を崩してしまうケースは、このマンボウがはじめてではない。
コロナ禍のロックダウンで一時閉館を余儀なくされたオーストラリア、ケアンズ水族館でも、スズキ目ハタ科の巨大魚、タマカイのチャンがうつ病の症状を示し、元気がなくなってしまったことがある。
また、グレート・バリア・リーフでもダイバーたちに人気だったナポレオンフィッシュ(メガネモチノウオ)のウォリーも、ロックダウンで誰も来なくなり、元気を失ってしまったことがある。
ケアンズ水族館のポール・バーンズ氏によると、魚はとても好奇心旺盛な動物で、常に新しい刺激を求めているという。
水族館にいる魚は、常に水槽の外側を観察していて、人が来ればちゃんと見ているし、コミュニケーションをとるのが好きなんだそうだ。
水槽の外をただ人が通り過ぎるだけでも魚への刺激になっており、そうした人間の顔や服装を観察して楽しんでいるのだという。
ということで、しものせき水族館「海響館」は2025年夏にオープンの予定だ。あと半年後となるが、そしたらみんな、マンボウを励ましにいってあげよう!