
2025年1月19日の記事で紹介した、「タイの忠犬ハチ公」こと、ムー・デーンを覚えているだろうか。
コラート市のセブンイレブンの前で、亡き飼い主を待ち続けるムー・デーンの姿に、「いつかステキな飼い主が現れるといいな」とみんなも祈ってくれたはずだ。
どうやらその祈りが天に届いたらしい。この度、ムー・デーンは立派な飼い主のもとへと引き取られることが決まったそうだ。
なんとその飼い主とは、タイ王国の正真正銘の王女様なのだ!
現国王の姪が「面倒を見る」と宣言
ムー・デーンを引き取ることになったのは、タイの現国王ラーマ10世(ワチラーロンコーン)陛下の姪にあたる、シリパー・ジュターポーン王女(42)である。
王女はコラートの住人たちが、ムー・デーンの治療費を集める動画を通じて、この犬のことを知ったそうだ。
実は王女も犬を飼っており、過去に愛犬を亡くした経験から、ムー・デーンがどんな気持ちでいるのかを、深く理解できると語っている。
今回、ムー・デーンを引き取るにあたり、王女は自らのSNSで、その経緯を次のように説明している。
私はある動画でムー・デーンを知りました。私たちの子供たちは皆、虐待や、捨てられたり傷つけられたりといったトラウマを経験しています。犬や猫は、私たちと何も変わりません。
ムー・デーンは重度のうつ病です。これは愛する人や物を突然失うことで引き起こされます。その事実を受け入れられず、精神的に耐えられない状態です。
この精神疾患への理解がなければ、ムー・デーンに精神的にも肉体的にも、取り返しのつかないダメージを与えてしまう可能性があることを、皆さんに知っていただきたいのです。
人間は痛みを隠し、表面上は普通に仕事をして生活しているように見せますが、犬は純粋に、感じたことをそのまま表現します。
私たちは、皆さんからムー・デーンを奪うつもりはありません。しかし、急いで彼女の精神的なケアを行う必要があります。
ムー・デーンに、私たちが傍にいるからあきらめないでほしい、(亡くなった)飼い主はいつもあなたを見守っているのだと伝えます。
そして彼女をお寺に連れて行き、飼い主の供養をするつもりです。愛する人のために、功徳を積み重ねましょう。
私は命を懸けて、ムー・デーンを心から愛し、大切にします。どうか私のページをフォローしてください。
彼女に会いたくなったら、「会いたい」とコメントしてください。すぐに彼女の写真を投稿します。また、私がコラートを訪れる際は、彼女を一緒に連れて行きます
病院で健康診断を受けた後、王女のもとへ
2025年1月22日、王女はムー・デーンが暮らしていたコラートの地元当局とセブンイレブンに許可を求めた上で、県の畜産開発局の職員を派遣。
コンビニの従業員や、ムー・デーンを紹介する記事を投稿した地元の写真家Mari-Mo Photography[https://www.facebook.com/MarioAndMona]さんが見守る中、ムー・デーンは無事に保護された。
その後彼女は動物病院で健康診断を受けた結果、寄生虫がいることが確認され、現在投薬を受けているとのこと。
保護されたムー・デーンの姿を見た視聴者からは、安堵と王女への感謝のコメントがたくさん寄せられていた。
- 慈悲深い王女殿下に感謝します!
- あのまま同じ場所にいても、ムー・デーンの暮らしは安全ではありませんでした。愛してくれる人や優しい人もいれば、憎む人もいます。王女からのサポートをいただけるのは素晴らしいです
- 彼女は笑顔で、とても幸せそうに見える!
- 顔がとても明るくなったね
- 目が輝いているよ!
- おめでとう! あなたには新しい家と友だちができたね。涙が出ました
- 野良犬は多くの場合、寄生虫を持っているよね。早く良くなってね
- 1か月薬を飲めば大丈夫!
- 本当におとぎ話みたいだね。ストリートから宮殿へ
- ホームレスから王族に! これからの犬生は最高になるよ!
- きっと前の飼い主さんが、天国から彼女を見守っているんだね
- これからずっと健康で長生きするんだよ!
現在ムー・デーンはチェンマイ県に移り、王女のもとで心と身体を癒しながら、第二の犬生をスタートさせたそうだ。