
著作権切れとなったキャラクターたちが最初に通る道は悪役を演じる「パブリックドメイン・ホラー」だ。そんな流れができつつある昨今、次に通る道は、キャラクター同士の競演となるようだ。
使いたい放題だからやりたい放題なのかはわからないが、今回予告編が発表されたのはミッキーマウスと、プーさんが対決をする『The Dark Domain: MVW Mickey-Vs-Winnie』である。
夢の国の中の仲良しこよしのミッキーとプーさんの姿はそこにはない。「フレディVSジェイソン」、あるいは「エイリアンVSプレデター」を彷彿とさせるような、闇落ちしたミッキーとプーさんが恐怖の戦いを繰り広げるのだ。
ダークなミッキーとプーさんが対決するクロスオーバーホラー
これまで、クマのプーさん、『蒸気船ウィリー』のミッキーマウス、さらにはポパイと、パブリックドメインとなったキャラクターたちは次々にダークサイドに叩き落され、ホラー映画化されていた。
そして今回、新たに発表されたのは、キャラクター同士の、初のクロスオーバー・ホラー映画となる『The Dark Domain: MVW Mickey vs Winnie(ザ・ダークドメイン:MVW ミッキー vs ウィニー)』だ。
2025年3月11日に解禁された予告編第一弾では、まだ全貌を見ることはできないが、それぞれ「ダークミッキー」と「ダークウィニー(プーさん)」という邪悪な姿に変え、恐怖の戦いを繰り広げるという。
ストーリーの背景
物語の舞台は、「地獄の森」(Hell Forest)と呼ばれる不気味な場所だ。この森では100年前、二人の囚人が謎の失踪を遂げ、それ以来、不吉な伝説が語り継がれてきた。
時が経ち、幼少期にこの森の近くにある矯正施設で過ごした馴染みたちは、それぞれ過去のトラウマや恐怖に苦しんでおり、なぜかこの場所に引き寄せられる。
彼らが向かうのは、廃墟となった矯正施設だ。そこには、かつての彼らの記憶と結びついた悪夢が潜んでいた。そして、彼らの心の闇が具現化する形で、二体の狂気に満ちた魔物たちが姿を現す。
それこそが、「ダークミッキー」と「ダークウィニー」だ。
・ダークミッキー:混沌を引き起こす邪悪な存在で、巧妙に人を操り、凶器を振るう
・ダークウィニー:獣のような捕食者で、純粋な破壊本能に従って動く
2体の魔物が対決する中、登場人物たちは彼ら自身の心の傷とも向き合わなければならない。これは、魔物同士の戦いではなく、彼らの内面の葛藤が投影された戦いだったのだ。
2025年中に公開予定
本作の制作は、「Untouchables Entertainment」というプロダクションで、グレン・ダグラス・パッカード氏が監督を務める。同社はこの作品を皮切りに、「ダーク・ドメイン・ユニバース」を立ち上げる予定だそうだ。
この作品は2025年中に公開予定だが、公開日はまだ決まっていない。
対決型ホラーというと、『フレディVSジェイソン』や『エイリアンVSプレデター』といった作品が思い浮かぶが、この作品は心の闇に潜む魔物(ダークミッキーとダークウィニー)をテーマにしているという点で興味深い。
だが当然、「子ども向けキャラクターのホラー化はもう飽きた。安易な商業戦略だ」といった批判の声も上がっている。
いずれにせよ、パブリックドメイン化されたキャラクターを活用したホラー映画は、今後も増えていくことが予想される。
『ザ・ダークドメイン:MVW ミッキー vs ウィニー)』が単なる話題作で終わるのか、それとも新たなホラーの名作となるのか、注目したい。
References: Variety[https://variety.com/2025/film/trailers/mickey-mouse-winnie-the-pooh-horror-trailer-1236331758/] / Imdb.com[https://www.imdb.com/title/tt32261859/]
本記事は、海外の情報をもとに、日本の読者向けにわかりやすく再構成し、独自の視点で編集したものです。