
中央アフリカのコンゴ盆地で、伝説のUMAとされる、謎の巨大生物「モケーレ・ムベンベ」の目撃情報が増えている。
この生物は、長い首と巨大な体を持つとされ、恐竜の生き残りではないかと長年噂されてきた。
ここには、我々が知らない未知の種が存在するのか?それとも何か別のことが起きているのか?その謎に迫ってみよう。
モケーレ・ムベンベとは?
モケーレ・ムベンベは、コンゴ盆地の奥深くに生息するとされる伝説のUMA、未確認生物だ。
この名はリンガラ語で「川の流れを止める者」を意味し、恐竜のような長い首と巨大な体を持っているとされている。
その姿は、ジュラ紀と白亜紀に生息した非常に大きな草食性恐竜、竜脚類によく似ているという。
大きさはゾウやカバほどとされ、目撃した人によって少しずつ特徴が異なっている。
この伝説がヨーロッパに広まったのは20世紀初頭のことだ。
当時、探検家たちは現地住民からこの生物の話を聞き、未知の恐竜がジャングルに生き残っている可能性を信じた。
1950年代以降になると、ベルギーの学者ベルナール・ユーヴェルマンスらが提唱した「未確認動物学(クリプトズーロジー)」の影響もあり、多くの探検家や愛好家がコンゴ盆地へ調査に向かった。
さらに、1908年に発表された小説『恐竜最後の棲み処(The Last Haunt of the Dinosaur)』や、近年では映画『ジュラシック・パーク』シリーズの影響もあり、この謎の生物への関心は途切れることがなかった。
目撃情報が増加している理由
近年、このモケーレ・ムベンベの目撃情報が再び増えていると『National Geographic[https://www.nationalgeographic.com/environment/article/congo-basin-mokele-mbembe-deforestation]』が報じた。
これを受け、一部の研究者や未確認生物の愛好家たちは、恐竜の生存説が再び浮上するのではないかと期待を寄せている。
しかし、実際には別の要因が関係している可能性が高い。
コンゴ盆地では、2000年から2016年の間に約2300万ヘクタールもの森林が失われた。森林伐採によって動物たちの生息地が急速に縮小し、普段人間と接することのなかった大型動物が村の近くに現れることが増えているのだ。
人間は未知のものを目撃したとき、既存の伝説や物語に当てはめて解釈する傾向がある。そのため、実際にはただのカバやワニだったものが、「伝説のUMA」として語られる可能性もあるのだ。
恐竜の生き残りか? それとも新種の生物か?
モケーレ・ムベンベの正体が恐竜の生き残りである可能性は極めて低いが、コンゴ盆地には未発見の動物が存在する可能性は十分にある。
実際、かつて伝説とされていた動物の中には、後に科学的に実在が確認された例もある。例えば、ダイオウイカ、コモドオオトカゲ、カモノハシも、かつては単なる噂や伝説だと思われていた。
しかし、一方でビッグフット、ネッシー、チュパカブラ、イエティなどの有名な未確認生物は、長年の調査でも確実な証拠が見つかっていない。モケーレ・ムベンベもこのUMAカテゴリに入る可能性が高い。
モケーレ・ムベンベのような伝説がなぜ広まり続けるのかについて、チェコの環境保護活動家、ラウラ・ヴラホヴァ氏はナショナルジオグラフィックの取材でこう語っている。
「都市化が進み、動物の生息地が破壊されることで、人々は突然見慣れない大型動物に出くわすようになった。特に、大都市では自然に対する知識が乏しいため、驚きや恐れから伝説の生物に結びつける傾向があるのだ。」
この言葉は、モケーレ・ムベンベの目撃情報が増えている理由をよく説明している。つまり、コンゴ盆地の生態系が変化する中で、人々の想像力や伝説が「目撃証言」として形を変えているのかもしれない。
それでも、未知の生物がどこかに潜んでいるというロマンは、人々の好奇心をかきたてる。
References: More People Are Spotting The Legendary "Dinosaur" Of The Congo, But Is It Real Or Is Something Else Going On? | IFLScience[https://www.iflscience.com/sightings-of-the-legendary-mokele-mbembe-dinosaur-of-the-congo-are-increasing-what-is-going-on-78615]
本記事は、海外の情報をもとに、日本の読者がより理解しやすいように情報を整理し、再構成しています。