動物園で最年長のハリモグラ、56歳の誕生パーティーを特製のケーキで祝ってもらう

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 2025年3月24日、シカゴのブルックフィールド動物園で、「アデレード」という名前のタスマニアハリモグラが56歳の誕生日を迎えた。

 この日、アデレードには大好物のミルワームとチキンピューレを混ぜてすりつぶしたクリームに、動物にも安全な着色料でカラフルに仕上げたバースデーケーキがふるまわれた。

56歳のバースデーを祝うハリモグラ

 ハリモグラの主食は昆虫で、ワーム類はもちろん、アリやシロアリなんかも好んで食べる。彼らには歯がないため、細長い口先をアリの巣などに突っ込んで、細長い舌を使い、アリクイのように舐めとって食べるんだそうだ。

 美味しいケーキにご満悦のアデレードさん。別名「トゲを持つアリクイ」というだけあって、食し方はアリクイによく似た感じ。

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 ハリモグラはオーストラリア全土、タスマニア、そしてニューギニア島の一部にいる単孔目の動物だ。

 和名では「モグラ」とついているが、実際にはモグラとは全く関係なく、カモノハシの近縁種。そしてカモノハシと同様、子供ではなく卵を産む哺乳類である。

寿命は長くアラフィフでも繁殖可能

 寿命は野生下でも40年以上と言われており、20年程度のカモノハシの倍以上は生きるらしい。

 アデレードさんは56歳で、ブルックフィールド動物園にいるすべての生き物の中でも最長老だが、他にも51歳のポーキー(オス)や50歳のワドルズ(メス)など、同動物園のハリモグラたちはご長寿ぞろいなんである。

 特にポーキーとワドルズの間には2024年6月に2匹目のベビーも誕生していて、アラフィフ夫婦でも子供を持てることが判明した。

 生後1か月半のその赤ちゃん。まだトゲトゲは生えそろっていなくて、ぽそぽそした産毛が生えている。

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 こちらは2022年春に生まれたお兄ちゃんのクイル。生後3か月ごろの様子だが、まだトゲトゲはあまり発達していないようだ。

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 そして1歳のお誕生日を迎える頃には、すっかりおとなと同じトゲトゲスタイルになったクイルくん。

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 一歳児に比べると、アデレードさんのトゲトゲは、やはりかなりまばらになっている印象だ。

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トゲトゲになるまではママのお腹のポケットで育つ

 ハリモグラは2~6年に1回繁殖期を迎え、メスは卵を1個だけ産む。その後母親のお腹にできる育児嚢で孵化し、身体にトゲトゲが生えてくるまでは、そのままこのポケットの中で過ごすそうだ。

 トゲが伸びてくると、さすがに母親も痛いのか、ポケットから追い出されて自立を余儀なくされるんだとか。

 ポケットで子育てと聞くと、有袋類の仲間かと思ってしまうが、このポケットは産卵期にだけお腹にできるひだが変化したモノ。産み落とされた卵が直接入るよう、後ろ向きについているんだそうだ。

 下の動画はお散歩中のハリモグラ。

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 卵を産む哺乳類は、このハリモグラとカモノハシの2種だけだ。なのにカモノハシほど日本で知られていないのはなんでなんだろうな。ハリネズミやモグラの仲間と誤解されかねないネーミングのせい?

 あるいはクチバシや水かき、平たい尻尾といった特徴を持つカモノハシに比べ、ビジュアル的なインパクトが少ないこと、それにオーストラリアならわりとどこにでもいる生き物だったからなのかもしれない。

 同じトゲトゲとは言え、ハリネズミやヤマアラシとはまた一味違うむっちり感満載のハリモグラ。

この機会にぜひファンを増やしてくれるといいと思う。

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References: Ain't no party like an echidna party![https://boingboing.net/2025/05/01/aint-no-party-like-an-echidna-party.html]

本記事は、海外の情報を基に、日本の読者向けにわかりやすく編集しています。

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