
そこに箱があれば飛び込む!これは飼い猫にとってのセオリーみたいなものだが、大型ネコ科も同様だ。大きくたって猫は猫。
アメリカの野生動物保護施設で暮らすボブキャット(オオヤマネコ)のマンカも例外ではない。
ダンボール箱を見るやいなや、吸い込まれるように入っていった。しかもゴロゴロと喉を鳴らし、ちょっと大きなイエネコみたいな感じだ。
箱があれば吸い込まれてしまうのがネコ科の本能
ロードアイランド州にある野生動物保護施設「RAWR(ラスティック・エーカーズ・ワイルドキャット・レスキュー)[https://www.rawrsanctuary.org/]」では、違法飼育や孤児、事故などで野生に戻れないなくなったネコ科動物を保護し、生涯にわたって飼育する活動を行っている。
繁殖・展示・販売は一切行わず、完全ボランティアによる運営で、動物たちが人間と過度に接触しないよう配慮された静かな環境が特徴だ。
ボブキャットのマンカ(メス)は、まだ赤ちゃんの頃、ニューヨーク州の郊外にある民家の裏庭で母親とはぐれてひとりぼっちだったところを発見され、別の保護施設を経て、この施設にやってきた。
ボブキャットと言えど猫は猫。スタッフがダンボール箱を置いたところ、マンカは吸い込まれるように箱の中へ!
まるでイエネコのように、ゴロゴロと喉をならし、ダンボール箱を堪能している。
動画だと大きさがわからないので、こうやってみると、ただちょっと大きいイエネコがダンボール箱に入ってご機嫌って感じに見えるね。
イエネコと同じ、箱に惹かれるネコ科動物
なぜネコは箱を好むのか?
それは「狭い場所に身を隠すことで安全を確保する」という本能的な行動による。これはイエネコだけでなく、ボブキャット、ピューマ、ヒョウ、トラなどすべてのネコ科動物に共通する習性である。
保護施設や動物園でも、ダンボール箱や木箱を与えると喜んで入りたがる個体が多く、「大型ネコ科の箱入り動画」は海外では定番の人気ジャンルにもなっている。
彼らにとって箱は“見張り台”であり、“安心できる秘密基地”なのだ。
ボブキャットとは?
ボブキャット(Lynx rufus)は、北アメリカ大陸全体に分布する中型のネコ科動物だ。オオヤマネコ属に属し、カナダオオヤマネコの近縁種であり、12種類の亜種が確認されている。
体長は約70~100cm、体重:約8~14kgと、個体によってはメインクーンほどの大きさで、尾の長さは10~20cmと短いのが特徴。これが名前の由来(bob=ちょん切れ)となっている。
ボブキャットの寿命は野生下で平均7年程度だが、飼育したでは32年生きた例がある。
単独行動を好み、夜行性のハンターとして小型哺乳類や鳥類を狩る。木登りや泳ぎが得意で、森林、砂漠、湿地から郊外住宅地まで柔軟に適応する。
外見こそイエネコを一回り大きくした程度に見えるが、厳しい野生の中では有能な捕食者なのだ。