野良牛が盗んだバイクで走り出すシュールな光景(オンリーインド)
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 まず野良牛が普通に存在していること自体が、インドならではなんだけど、ある種の市民権を得ている牛は、自由気ままに人間の居住空間で暮らしている。

 その結果ライフスタイルが人間に近づいてしまったのか、盗んだバイク(スクーター)で走り出すなんてことがあったりするのだ。

 牛が「ちょっと拝借するよ」とばかりに、白いスクーターに乗り込んで、走り出していく様子は、路上に設置された監視カメラ映像にとらえられていた。

 なかなかうまく乗れてるじゃないか。

監視カメラがとらえた、バイクで走り出す牛

 2025年5月2日の正午過ぎ、インド・ウッタラーカンド州リシケーシュで、道の端に止めてあった白いバイク(スクーター)に近づいてきたのは1頭の野良牛だ。

 牛は前脚をあげてバイクに乗り込もうとした。

 道路には人間たちの姿も見えるが、あたりまえの光景なのか、牛の行動にまったく気を配っている様子はない。

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 バイクに体を乗せた牛は、そのまま前方に押し出すと、体の重みを利用して、ぐんぐん走り出していった。

 エンジンはかかっていないのだが、まるで牛がバイクを乗りこなしているかのようにみえる。

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 バイクというよりも、スケボー感覚だね。そのまま道端のフェンスにぶつかってしまい、たのしいバイク遊びは終わったようだ。

 監視カメラがとらえた映像は、「人間がスクーターを盗むのはよく見るが、リシケーシュでは牛もバイク好きらしい」というコメントと共にXに投稿された。

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 この動画は70万回以上表示され、牛のティーンエイジャーみたいな大胆な行動は、インド国内でも話題となったようだ。

・体重が重いだけに、まさにヘビードライバーだ

・スクーターがスケボーのように見える

・兄貴は試乗しただけ、多分買う気はあるんだよ

・牛も風を感じたかったんだろう

・インドの日常。だから自分のバイクはいつも門の中に置いてるんだ

・監視カメラ映像がなかったら保険会社に説明するのが大変そうだ。

・運転免許持ってるのか?まず試験受かってからにしろ

・牛は警察につかまらないからうらやましい

・監視カメラ映像がなかったら、保険会社に信じてもらえなさそう

・まさにインドならではだね。インドでは想像できることは全て起きる

インドに野良牛が多い理由

 ちなみにインドでは野良牛(放し飼いや有者不明の牛)が非常に多く、特に都市部や郊外で自由に歩いている光景がごく日常的だ。

 インドの人口の約8割はヒンドゥー教では、牛は古くから神聖視されてきた。

 ヒンドゥー教の神話に登場するクリシュナ神は牛飼いの少年として育てられ、牛と共に過ごす姿がよく描かれる。

 さらに、破壊神シヴァの乗り物(ヴァーハナ)である「ナンディン」という白い雄牛も信仰の対象となっており、神殿の前にはその像が置かれていることが多い。

 こうした宗教的背景から、牛は単なる家畜ではなく「神に近い存在」として扱われるようになった。

 このような文化的・宗教的価値観が長く受け継がれ、現代インドでも牛を殺すことや食べることが忌避され、特にヒンドゥー教徒の間では牛を守る意識が強く根付いているのだ。

 なので牛にバイクを壊されても損害賠償はあきらめた方がよさそうだね。むしろご褒美くらいに思っておいた方が幸せなのかも。

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